公認会計士試験の難易度
公認会計士試験は、公認会計士になるために突破しなければならない最初で最大の関門です。かつては、医師国家試験や司法試験とともに3大難関試験と言われていました。
公認会計士試験は受験者のうち上位の一定割合が合格するという相対評価の試験であるため、その難易度を考えるにあたっては母集団となる受験生のレベルは無視できない要素となります。この点、受験生の多くは全国の有名大学出身者(または在籍者)であるため、その母集団の中で合格レベルに達するには相当な努力が必要となります。
また、公認会計士試験に合格するために必要な年数は一般的に2〜4年程度と言われていますが、その期間を無職で受験に専念する方も多く、学習費用や生活費をどう工面していくかも重要な問題となります。実際、能力はあっても経済的な理由で受験を断念するケースも少なくありません。
公認会計士試験の難易度は客観的な数値で表すことができるようなものではありませんが、中途半端な決意では合格することができない難しい試験であることは間違いないと思います。
公認会計士試験の合格率
公認会計士試験の合格率は、2006年度以前は毎年8%前後で推移していましたが、実務の要請や国策により2007年度及び2008年度はその約2倍近くに上昇しました。しかし、急激な合格者の増加により監査法人での人余りが顕著となり、未就職者問題が発生したため、2009年度以降はほぼ2006年度以前の水準に戻されました。今後もしばらくの間は、7〜8%前後の水準で推移するものと考えられます。
| 年別 | 願書提出者 | 合格者 | 合格率 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2003 | 14,978人 | 1,262人 | 8.4% | − |
| 2004 | 16,310人 | 1,378人 | 8.4% | − |
| 2005 | 15,322人 | 1,308人 | 8.5% | 旧公認会計士試験の最終年度 |
| 2006 | 16,311人 | 1,372人 | 8.4% | 新公認会計士試験の初年度 |
| 2007 | 18,220人 | 2,695人 | 14.8% | − |
| 2008 | 19,736人 | 3,024人 | 15.3% | − |
| 2009 | 20,443人 | 1,916人 | 9.4% | − |
| 2010 | 25,147人 | 1,923人 | 7.6% | − |
公認会計士試験の受験資格
受験資格は特に定められていないので、年齢や学歴にかかわらず誰でも受験することができます。
公認会計士試験の日程と内容
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験の2つの試験から成ります。短答式試験に合格した人だけが論文式試験を受験することができ、この論文式試験に合格すれば晴れて公認会計士試験合格者となります。
短答式試験と論文式試験の日程と内容は、次のようになっています。
| 項目 | 短答式試験 | 論文式試験 |
|---|---|---|
| 実施時期 | 12月の日曜日、5月の日曜日 | 8月下旬の金曜日から日曜日の3日間 |
| 受験資格 | なし | 短答式試験の合格者 |
| 出題形式 | マークシート方式 | 記述式 |
| 試験科目 | ・財務会計論(簿記及び財務諸表論) | ・会計学 (財務会計論及び管理会計論) |
| ・管理会計論 | ||
| ・監査論 | ・監査論 | |
| ・企業法 | ・企業法 | |
| - | ・租税法 | |
| - | ・選択科目(経営学、経済学、民法、統計学から1科目選択) | |
| 合格基準 | 総点数の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率。 ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないもののある者は、不合格となることがあります。 |
52%の得点比率を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率。 ただし、1科目につき、その得点比率が40%に満たないもののある者は、不合格となることがあります。 |
| 合格率 | 全受験者の13.2% (2009年度実績)程度 | 全受験者の9.4%(2009年度実績)程度 |
| 科目免除制の概要 | 短答式試験の合格者は、以後2年間短答式試験が申請により免除されます。 | 論文式試験全体で合格点に達しない場合、科目ごとに合否を判定し、科目合格となった科目については以後2年間申請により免除されます。 |
公認会計士試験の出題科目
公認会計士試験では、「会計の専門家」になるために必要な下記科目が出題されます。
財務会計論
財務会計論は、公認会計士試験において最も重要な科目であり、「簿記」と「財務諸表論」から構成されます。簿記は、企業が公表する貸借対照表や損益計算書などの決算書の作成方法を学習する科目で、試験では、実際にこれらの決算書を作成することが要求されます。また、財務諸表論は、こうした簿記で行う決算書の作成方法の理論的背景を学びます。
管理会計論
管理会計論は、企業の経営者がどのような方法で原価や利益を分析し経営に役立てているかを学習する科目です。主として「原価計算」と呼ばれる会計システムの学習や「財務分析」が中心となります。
監査論
監査論は、公認会計士の独占業務である財務諸表監査を行ううえで必要となる知識や制度の内容、その理論的背景を学びます。公認会計士試験の合格後、監査法人で財務諸表監査を行うために必要不可欠となる重要な科目です。
企業法
企業法は企業を取り巻く様々な法律について学習する科目であり、その中心は「会社法」となります。法律の学習においては、六法を参考にしながら条文の内容やその立法趣旨などを正しく理解することが大切になります。
租税法
租税法は、企業に関連する税法、すなわち法人税法・消費税法・所得税法などについて学習する科目です。2006年から始まった新公認会計士試験で新たに試験範囲となった科目であるため、今後最も注意が必要な科目である言えます。
経営学(※選択科目)
経営学は、企業の経営戦略や財務戦略、投資戦略等について学習する科目です。選択科目の中では最もボリュームが少ないので、多くの方がこの科目を選択しています。
経済学(※選択科目)
経済学は、企業や消費者の経済行動をモデル化し、数学を使って分析する計算科目です。微分などの数学的手法を使用するので、数学が苦手な方は選択しない方がよいかもしれません。
民法(※選択科目)
民法は、社会における売買取引や私たちの日常生活上の問題に関する人と人との法律関係を規律する法律です。学習すべき範囲が非常に広くボリュームも多いため、法学部出身者で既にある程度の知識を持っている方以外は選択することをおすすめできません。
統計学(※選択科目)
統計学は、標準偏差や回帰分析などの統計的手法を学習する科目です。2006年から新しく導入された科目ですが、統計学は数学的要素が非常に強いため、数学が得意な理系出身者以外は選択しない方がよいかと思われます。
公認会計士試験に合格するには
一般に、公認会計士試験は独学で合格することが非常に難しい試験と言われています。もちろん100%不可能というわけではありませんが、合格者の99%以上の方は何らかの形で受験予備校を利用していることからも、受験予備校を有効に利用することが合格への近道であると言えます。
公認会計士試験に短期で合格したい方は、必ず受験予備校を利用するようにして下さい。そして、失敗しない受験予備校の選び方を知りたい方は、ぜひこちらをご覧下さい。 ⇒ 公認会計士試験の受験予備校の選び方
