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ABCさん(男性・28歳)の合格体験記

自己紹介

はじめまして。名前はABCとしておきます。
2009年論文式試験に合格しました。2度目の受験での一括合格です。
正直、喜びというより、安堵と言ったほうが近いですね。

まずは戦歴から。
2008年 短答式試験合格。
2008年 論文式試験不合格(租税法と経営学の2つだけ科目合格、足きりナシ)。
2009年 論文式試験合格。

利用した専門学校はクレアールです。2008年度は拠点校でのDVDクラス、2009年度は通信で受講しました。クレアール以外で授業や答練を受けたことはありません。

何が何でも公認会計士でなければならないというほどの強い理由は、これといってありません。会計への拘りも、監査への拘りも、そんなに強い方ではないと思います。しかし、

@ 会計を通じて世の中の色んなものを見られそう(自分の性格からして一つの業種に居座り続けることはたぶん無理)。
A 収入が良い(大学を出ていない自分にとっては特に有難い)。
B 色んな道が拓けそう。

やっぱりこういうところに魅力を感じ続けられたからこそだと思います。あとは意地で乗りきりました。

公認会計士試験最終合格にむけて

公認会計士試験は、試験範囲があまりに広いため、合格率が上がったとはいえ合格するのはとて も大変な試験だと思います。しかも今年は合格率が再び10%台にまで落ちてしまったため、来 年以降も楽観視はできないように思います。

このような大変な試験を乗り切るために、僕が重要だと思うこと、又は、効率的に合格するため のポイントを纏めると以下のようになります。

@ 心の管理、強い気持ち(これが最重要です)。
A 計算力は早いうちに一定レベルにまであげる。
B 全科目バランスのとれた学習を。
C 重要な部分は徹底的に暗記する。
D 枝葉の部分は暗記の必要なし(一度目を通すだけでOKと割り切る)。
E 情報はなるべくテキストに集約。

取り立てて特別なことはないと思います。また、僕が利用していたクレアールではよく言われて いたことでした。

以下、各科目ごとに僕が気をつけたことや、試験勉強を通じて思ったことを書いていきます。
ちなみに、論文式試験を前提にしており、昨年合格した租税法と経営学は割愛させて頂きます。

簿記

これは管理会計や租税法にも言えることですが、計算科目は実力が付くまでに時間がかかります。 最初のうちはあまり理論的な背景については拘らず、とにかく速く正確に処理できるようになる こと。そしてなるべく早いうちに一定レベルにまで上げることが重要だと思います。そのために は総合問題を繰り返し解くことが必要です。

特に簿記は、管理会計や租税法と違い、ある特定の勘定に影響を及ぼす取引や事象が複数である 場合が非常に多いです(ex受取利息)。その勘定に影響を及ぼすのはどのような取引や事象か、 問題の試算表に載っている勘定科目を見た瞬間にいくつか取引や事象が頭の中で想像できるくら いになれば力がついてきた証拠だと思います。

また、簿記に関しては、総合問題を解いて初めて気付くことがあります。各財務諸表の関係(P L〜SS〜BS)や、内部管理用の試算表と公表用の財務諸表の違い、また決算日をすごく意識 するようにもなります。

期中仕訳や決算整理仕訳を正確に切れるようにするためにはテキストや個別問題集を利用し、処 理スピードを上げるために総合問題を利用します。

計算科目が一定レベル以上になると、心理的な負担がぐっと減りますよ。

管理会計(計算)

これも早いうちに一定レベルに上げるべきです。ただし、論文答練の必要性は簿記に比べて遥か に低いと思います。

例えば総合原価計算における仕損費の負担のさせ方は問題のパターンによって様々です。 これは個別問題集などを利用し、各問題でどのように違うのかを確認しながら(比べながら)学 習するのが良いと思います。

また、管理会計における計算問題では、最初の問で間違えてしまうと後の問いも雪だるま式に間 違えてしまうという怖いところがあります。後の問に大きな影響を及ぼしそうな数値を解答する 際には、多少解答に慎重になった方が良いと思います。

財務諸表論

これは論文式試験の配点を前提に考えれば、最重要科目と言えます。
そして、この財務諸表論と監査論は、特に暗記が重要な科目だと思います。

財務諸表論で暗記しておいた方がいいと思うのは以下のものです。

@ 企業会計原則、各会計基準、概念フレームワームなどにおける定義。
A 各会計基準に記載されている「結論の背景」。
B 答練で出題され、講師が重要だよと言ったところ。

Aに関しては、特に基準が改正された理由、対立する概念、に関しては重要だと思います。枝葉 の部分は無視しても良いと思います。

2008年の本試験では会計基準に記載されている結論の背景から多く出題されましたが、2009年の本試験では考えさせる問題が多かったと思います。
しかし考えさせる問題と言っても決して奇抜な問題ではなく、多くは基本的な問題に感じました。もちろん暗記した文言をそのまま 使うことはできません。
しかし、僕はそれでも暗記は重要だと思います。何故なら、いざという時に使える言い回しが、基準の中には沢山あるからです。暗記していないとその使える言い回しが出来ないため、素人が書いたような文章になってしまいます。

また、勉強中のことですが、正確に暗記することによって理解が進むということも沢山ありまし た。つまり暗記が、理解への手助けとなるということです。

管理会計(理論)

原価計算基準における用語の定義は暗記することをお勧めします。後は対立する概念についても説明できるように暗記した方が良いです。暗記の理由は、財務諸表論と同じです。今年の試験では暗記が役立ちました。

また、経営学的な意思決定の問題に関しては最大限想像力を活かすと良いと思います。

監査論

用語の定義、監査基準の暗記、及び平成14年・17年の前文の暗記が最重要です。

これは邪道かもしれませんが、復習の順番としては、まず内部統制についての理解をマスターした方が近道かもしれません。なぜなら、財務諸表監査を行うにあたり必ず統制リスクの評価を行うからであり、必ずついてまわる問題だからです。イメージを膨らませるには非常に役立ちます。

上記を前提に委員会報告書を読み込むと良いと思います。ただし委員会報告書に嵌りすぎるとや ばいと思います。

監査論における暗記の理由も、財務諸表論と同じです。

企業法

意外と理系の人は強いかもしれません。必須科目の中で最も理論的だと思います。論理の流れを正確に理解すべきであって、いきなり暗記から始めると明らかに非効率だと思います。

また条文はテキストと付け合せて何度も何度も読み込むと、テキストだけでは見えなかったものが見えてきたりします。テキストに書いてあることを、条文に書き込んでいくのも良いと思います。

短答式対策について

短答式対策についてですが、企業法では必須だと思います。企業法は、短答式試験でかなり細かい箇所が沢山出題されます。論文用の知識を前提に考えて解くことも可能ですが、高得点は望めません。短答専用のテキストなり問題集で広く浅く学習することが必要だと思います。

簿記や管理会計の計算では、特定の箇所のみピンポイントで答えさせる問題が多く出題されるため、短答特有の問題に慣れておくことは大事だと思います。ただし、そこでも重要なのは論文式試験用の総合問題で培われた処理スピードであり、短答式の答練は「簿記の力をつけるため」ではなく「問題慣れするため」に利用すべきだと思います。「こういう問題の出し方もアリなんだな」と心の準備をするためですね。

財務諸表論、管理会計の理論、監査論については短答式答錬の重要性は若干低いと思います。論文用の勉強をしっかりしておいて、その上で短答式の答錬には目を通しておく程度で良いと思います。実務指針などの該当箇所をほじくり返してもキリがありません。

上記さえきちんとやっておけば、短答式で70%以上はとれると思います。

2008年の論文式試験における租税法、及び経営学の科目合格について

租税法と経営学は2008年に科目合格しました。

短答式試験前に見ることができなかった講義のDVD(3時間の講義が全部で20回分近く)を短答式試験後に必死になって見ました。また、直前講義と答練もあるため、論文式試験までの3ヶ月弱の間はこの2科目だけで勉強時間の3分の2以上を費やしたと思います(笑。

比較的知識が新しく運も自分に傾き科目合格をとることができました。逆に言えば他の科目で勝負することができなかったわけですが。

2009年の論文式試験当日におけるハプニング

今年の本試験2日目、会計学午前、開始から45分後に電卓を取り上げられました。最初に声を かけられたときは手が震えました。

2008年の会計士試験ではスルーされていたのですが、どうやら本試験では使えないキーが付 いていたとのこと。使い方すら知らないんだけど・・・。後でよく注意して確認したら確かに試 験案内に書いてありました。

午前の管理会計ではその後電卓なし。暗算には自信があるのでスイッチを切り替えました。幸い 管理会計のその後の問題は比較的簡単な計算だけだったので何とかなりました。

午後の財務会計では昼休憩にコンビニで買った10桁の小さな電卓を使用しました。もちろん使 いづらくてしょうがない。人差し指一本で慎重に電卓を押し、かなりの時間をロスしました。た だし財務会計の方はさすがに電卓がないときつい問題だったので、買ってきて良かったです。

これから受験する方々、試験案内はちゃんと読みましょう(笑。

最後に

ここまで読んでくださってどうもありがとうございます。
こうして合格体験記を書く自分を三年前からずっとイメージしてきたので、正直楽しみながら書 くことができました。

最後になりますが、来年以降公認会計士試験を受ける方(特に来年以降に初受験される方) に エールの意味を込めてメッセージを送りたいと思います。

はっきり言って受験勉強生活は本当に長く苦しいものです。必ず受かるという保障もありません。 自分もこの旅が始まってから、勉強でも勉強以外のことでも辛いことが何度も何度もありました。 しかし、自分で選んだことです。

今いる場所が暗いなら、そこから光を見つけ出していくのもまた自分です。 自分で自分を信じ続けていれば、たとえ結果がダメだったとしても自分の中に何かが残ります。 そして必ず味方はついていてくれます。去年の自分がそうでした。

僕は公認会計士試験を通じて、会計や法律などの知識や、「合格」という結果を得ることができ ました。しかしそれとは別の次元で、僕は多くのものを得たと思っています。

プライドを持って試験勉強に臨んでください。自分に勝てた人間だけが、試験でも勝てるのだと 思います。
頑張ってください。






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