Jさん(男性・25歳)の合格体験記
初めまして。Jと申します。 私は、08年と09年の2回にわたって公認会計士試験を受験しました。08年は働きながら受 験し、09年は仕事を退職し勉強に専念して受験しました。
予備校
私は通算で3年間勉強しましたが、全てTACで受講していました。理由は、母集団の多さです。 TACで習っていない範囲は大多数が勉強していないため合否に影響はなく、合格するために必 要最小限の勉強量で済む。また、母集団の多さからTACでの成績が本試験での成績に直結する と考えたからです。実際、私の考え通りTACで勉強していない範囲は本試験で出題されても合 否に影響はありませんでしたし、TACで上位の成績を取っていたため精神的にも安定して本試験、 合格発表を迎えることができました。
ちなみに以下が、私の選択したコース及び試験結果です。
06年 TAC08年目標2年本科(通学)申込み
08年 短答式試験合格
論文式試験不合格
TAC上級総合コース(通学)申込み
09年 論文式試験合格
学習スタイル
1)08年、社会人時代
1回目の受験は働きながらでしたが、やはり勉強時間が限られており、大変厳しい環境でした。 しかし、合格するためには一定量の勉強が必要であるため、睡眠時間を削ったり、通勤時間や会 社の昼休みを利用して平日でも毎日4・5時間は必ず勉強するようにしていました。
私は1回目 の受験は短答式試験合格を目標にしていたため、租税法と経営学の論文科目は講義すら受けずに 短答科目のみを勉強していました。そのため、短答式試験には合格しましたが、租税法の総合問 題は08年の本試験で初めて触れましたし、経営学はテキストすら開いたことがなく本試験では 欠席しました。
2)09年、受験専念時代
退職すると1日の全てを勉強に充てることが出来たため、勉強時間が増え成績は飛躍しました。 専念時代に私が強く意識していたことは、以下の通りです。
@1日になるべく多くの科目を勉強する
私は、最低でも1日に5科目は勉強していました。これにより苦手科目もなくなり、得意科目に
ついては理解が深まりました。全科目で平均点以上が取れるようになると総合順位が飛躍的にあ
がります。
A講義は教室で時間通りに受けない
講義を教室で時間通りに受けると教室移動のため時間を要したり、自習を中断する必要があるな
ど自分のペースが乱されます。そこで、私はTACのダビングフォローシステムを使って講義を
カセットにダビングして自分の好きな時間に倍速で受講していました。
B答練は教室で受ける
上記Aと異なり、答練は教室で受けて始めて意味があるものだと思います。緊張感がある中で時
間配分やミスの予防策を身に付ける必要があるからです。
C答練のための勉強はしない
TACでは答練の出題範囲を公表していますが、私それを一切参考にしませんでした。本試験で
は出題範囲が公表されることはありませんから、普段の答練からどこから出るか分らない状態に
慣れておけば本試験にも対応出来ると考えたからです。
科目別学習法
1.財務会計(計算)
かなり得意な科目でした。この科目の基礎を早いうちに固めて置くとかなり楽になります。とに かく問題演習を繰り返しやることが重要です。総合問題も解き慣れるためにある程度は必要です が、入門・基礎期のテキスト及びトレーニング、上級テキスト、短答答練を何度も解くことが最 も費用対効果の高い学習方法だと思います。
2.財務会計(理論)
テキストと答練の復習のみで常に上位の成績を取ることが出来ました。自分の中で解答パターン を何種類か決めていて(概念フレームワークの定義を使う、投資の目的の観点から答える等)そ の問題がどのパターンを聞いているのか??どのパターンで答えれば良いのか?を考えるように すると空欄で提出することがなくなり、得点が上がりました。
3.管理会計
計算と理論の両方が問われる科目なので両者をバランス良く勉強しました。教材は、答練 とアクセスを用いていました。
4.監査論
かなり得意な科目でした。教材はテキストと答練です。監査論特有の表現があるので、それを忠 実に答案に記述できるよう意識しました。監査論は自分の言い回しで表現しない方が得点が伸び ると思います。
5.企業法
教材はA先生のレジュメを使っていました。 条文番号を覚えてしまう位に条文を引くクセをつけることと、普段の勉強時に答案構成を行うこ とが重要だと思います。
6.租税法
かなり得意な科目でした。私のように1回目の受験では短答科目に手一杯で租税法にまで手が回 らない方が多くいるので、早くから取り掛かり得意にしておくと楽ですしアドバンテージが取れ ます。私は、1回目の論文本試験直後から、全く勉強していなかった租税法を集中的に勉強した のでアドバンテージが取れました。また、法人税と消費税の計算に偏りがちになり易いですが、 合格するためには理論と所得税の計算も押さえる必要があると考え万遍なく勉強しました。
7.経営学
ファイナンスは公式を暗記すれば、当てはめるだけで得点出来るので、公式を暗記しました。ま た、組織論戦略論は、単語の問題が本試験で頻出しているので単語に意識を置いて勉強しました。 経営専門用語が掲載されているホームページを見るのも良い対策だと思います。
短答対策
私は、運良く鬼門とされる短答式試験に1回で合格することが出来ました。私は、テキストを主 な教材として学習していたためテキストを読み込む又は、演習することで論文と短答の対策が同 時に出来ていたと思います。そのため、短答対策として法規集や委員会報告書を読み込むことは しませんでした。そういったものは、テキストにある程度含まれていますし、本試験で狙われそ うな論点は短答答練で問われるので短答答練を丁寧に復習すれば十分合格する力は身に付くと考 えます。
終りに
私は公認会計士試験の勉強を始めてから、自分が合格することについて全く疑うことはせず、絶 対に合格出来ると信じて勉強しました。
難しい問題にぶつかった時など何度も挫けそうになりましたが、最後は絶対合格すると信じ続け ました。公認会計士試験に合格したいという強い気持ちを持ち続けることが出来れば必ず合格出 来ると思います。
旧試験は「計算を制する者が会計士試験を制す」と言われていましたが、今は変わったと良く耳 にします。しかし、私は計算の重要度は新試験になっても全く変わっていないと思います。計算 を出来るだけ早く固めてしまえば、後は維持するだけで理論にたくさん時間をかけることが出来 るのです。これは理論重視と言われる新試験においてもとても有利です。第一に計算を仕上げる。 その後、計算を維持しながら理論を仕上げる。これが、短期合格への最短距離のように思います。
今後の公認会計士試験は、更に合格者が減ることが予想されますが、そのような難関試験に合格 される優秀な皆様と切磋琢磨しながら働ける日を楽しみにしております。