アグエロさん(男性・21歳)の合格体験記
はじめに
私は大学1年生の夏に会計士を志し、TACに通い始めました。2009年の12月に実施された短答式試験に合格し、今年の夏に論文式試験を合格することができました。勉強を始めた時には会計に関する知識はありませんでした。
試験勉強中の生活について
私は大学に通いながら会計士の勉強をしていました。私の学部はあまり忙しくなく、会計士試験に多くの時間を割くことができました(友達に出欠をお願いしてテストだけ受けるという感じでした)。大学の講義が忙しい方なども多いと思いますが、TACでの基礎期になるべく多くの大学の単位をとり上級期には大学の負担を極力減らせるようにカリキュラムを組めるといいのではないかと思います。受験勉強のための時間の確保はとても重要なことだと思います。
またアルバイトについてですが、私は基礎期の間は塾講師のアルバイトをしていましたが、上級期に入る前の時期に辞め、完全に会計士試験に専念しました。忙しい時期であっても息抜きは重要なのでアルバイトが息抜きの時間になるのであればアルバイトとの両立も可能だと思います。私はアルバイトを辞めてしまったため、受験勉強中に金銭面でかなり苦しみました。
また会計士試験の勉強は長期にわたるものなので、モチベーションの維持がとても重要になると思います。私は週に1回程度友人とサッカーをしたり、飲みに行ったりして気分転換をしていました。気分転換をすることで次の日からの勉強もはかどると感じましたし、長期的にモチベーションを維持することもできたと思います。ただ、直前期には体調の維持が大事なのであまり無茶はしないように気を付けてください。
また私の場合、周りと競争することで非常にモチベーションになりました。成績上位者の方の名前がTACの校内に掲示されていたのでそこに載っている人を勝手にライバルにしたりしていました。
勉強法について
まずどの科目にも言えることであり、当たり前のことですが、授業・答練を大事にしてください。上級期などは自習が追い付かないこともあると思いますが授業を受けたらすぐに復習(夜授業なら次の日の朝とかでもいいです)答練前にはしっかりと試験範囲の復習をする、答練後にもしっかりと復習する。こういった当たり前のことをさぼらずにこなしてください。何回かさぼってしまうとその範囲がわからなくなり、次に似たようなことを学習しても前の授業の復習に追われる…その結果授業の復習が間に合わないといった悪循環に陥る虞があると思います。復習の質が成績を左右すると私は思います。復習がしっかりこなせていれば試験前も時間に余裕が持てると思います。特に答練で出題された箇所に関しては他の受講生は完璧に仕上げてくると思うので、復習が十分でないと合格は厳しいと思います。
復習の方法ですが、私は授業後にB5の紙1〜2枚にその日に習ったことをまずはテキストなどを見ずにざっと書き出し、次にテキストを軽く見て忘れていた部分をまたその紙に書き加え、まずはそのB5の紙に書かれていることをを理解・暗記するよう心がけました。頭のなかである程度整理できたら清書としてまたB5程度の紙にきれいにまとめるようにしました。(メモリーツリーなども良いと思います。)清書することで頭が整理されるのでおすすめです。些末な内容はB5の紙には書ききれないと思うのでそのB5の紙は最初の理解に使ってあとはテキスト中心でやればいいと思います。まとめた内容が頭に入っていれば本筋をとらえてテキストが読めると思います。要は軸の理解をしっかり固めてからテキストで仕上げていくという方法をとっていました。
科目別勉強法
簿記
トレーニング中心に勉強しました。時間のある基礎期にはなるべく多くの問題を解き、体に染みつかせるべきだと思います。反復数が成績を分けると言っても良いと思います。あとは答練などを解いているうちに自分のスタイルを確立できると良いです。ミスノートは絶対に作るべきです。また理論との関連を意識できるようになると成績も伸びると思います。TACの答練はそういったことも考え作られているので答練の復習が大事だと思います。
財務(理論)
この科目は暗記での対応には限界があり、各論点の内容をしっかり理解する必要があります。私はなるべく声に出して人に説明するように心がけていました。人に説明できるようになると論文も書けるようになったと思います。家で勉強するときは誰もいないのに壁に向かって説明したりしていました。(恥ずかしいのであまり人には言いませんでしたが…)この科目に限らず理論科目は声に出して勉強すると効率がいいと思います。自習室で勉強する際には声を出す代わりに矢印などを使いながら紙に書きまくっていました。論文論点といわれるところを中心に学習を進め、直前期に短答論点を覚えればいいと思います。
監査論
財務会計と同様各論点の内容をしっかり理解する必要があります。具体的な実務が想像できると成績も伸びると思います。私は「女子大生会計士の事件簿」を読んだりし、なるべく実務をイメージするよう心がけました。
管理会計
この科目は計算と理論が密接に関連した科目です。背後にある理論を意識しながら計算することで成績があがると思います。とはいってもこの科目もある程度の反復が要求されると思います。
企業法
この科目も他の理論科目と同様論証の内容を理解しないと対応できません。企業法は短答式試験においては多くの暗記を要する科目ですが、趣旨を抑えていれば対応できることもあるので条文の趣旨を中心におさえるといいと思います。
租税法
この科目は政策的な理由から作られている条文も多く、理論的な背景というものが他の科目に比べ少ないためある程度暗記が必要になってきます。ただ、ひねった計算問題が出題されるということはあまりないため一度正確に覚えてしまえば安定する科目でもあると思います。
経営学
この科目は範囲が広いのですが出題形式は穴埋めなど簡易なものが多いため広く浅くという勉強で十分対応できると思います。私はテキストの重要ワードや重要な公式をマーカーで塗り、重要ワードを理解するために必要な文章にアンダーラインを引くなどして勉強していました。マーカー部分に限定すればテキストを1冊読むのに1時間程度でさらっと読めるレベルにし、何度も反復して読んでいました。ひたすら目を通して覚えるという感じでした。
最後に
拙文ながら最後まで読んでいただきありがとうございました。
いろいろと私なりの勉強法を述べてきましたが、それぞれ自分にあった勉強法があると思うのであくまでも参考程度に利用していただけると幸いです。もちろん勉強方法も大事だと思いますが、この試験勉強は長期戦ですからやはり一番大事になってくるのはメンタルだと思います。負けん気と絶対に会計士になってやるという気持ちをもって勉強に取り組んでいけば合格はおのずと見えてくると思います。健闘をお祈りしております。