みなし役員さん(男性・23歳)の合格体験記
自己紹介
どうも、この度合格体験記を書かしていただきます、みなし役員と申します。
私は大原で09目標から受験を開始し、2度の短答、1度の論文で合格することができました。
09年5月…短答落ち
10年12月…短答合格
10年11月…論文合格
10年度の上級期は、以下のように各予備校の講座やテキストを入手して勉強しておりました。
簿記:大原…構造論点U、V
財表:AXL…野坂論文講義
管理:LEC…池辺
監査:AXL…野坂論文講義
企業:大原…大原答練、宮内株式会社レジュメ
租税:大原…上級講義T,U,V
経営:大原…佐野先生
10年度論文式試験の成績は以下の通りです。
会計学:55.83(800位台)
監査論:58.25(600位台)
企業法:55.35(1000位台)
租税法:50.15(1900位台)
経営学:42.40(1700位台)
総合53.3*(1500位台)
あんまり芳しくない成績なので、参考にはならないかもしれませんが、以下私の勉強方法を書かせていただきます。
短答式試験の攻略方法
【時期】
短答の勉強を本格的に開始し始めた時期は10月くらいだったと思います。
10月までは09用のステップ答練をまわしていました。
5月落ちたのが悔しかったので今回は落ちまいと結構早めに短答特化したと思います。
短答特化に賛否両論はありますが、短答特化で得られた知識は論文対策につながりますし、短答受からない限り論文は受けれないので、論文勉強を並行してやって短答落ちたら元も子もないと思い、私は結構早めに短答特化しました。
【簿記】
@個別論点…計算答練や09の短答答練など、短答形式の問題を分野ごとにファイルしてひたすら解きました。
A構造論点…本支店、C/F、連結、企業結合などは、その分野のテキストを読んだ上でステップ答練基礎を2回ほどまわしました。
B特殊論点…分配可能額、一株当たり当期純利益 この二つに関しては直前までほぼ放置してました。どうせ忘れるので、試験一週間前と前日あたりに見直して記憶を定着させました。他の論点は理解した方が効率が良い場合もありますが、この二つは暗記でも対応できると思います。
Cある程度知識が定着したと思ったら、あとは過年度の短答答練をひたすらまわしました。
D当り前のことですが、予備校の答練はちゃんと受けに行き、無理だーとか思っても諦めずこれが本試験だったら、と思い全力を尽くすことが大事だったと思います。本試験は絶対緊張します。しかし、落ち着いて考えれば解ける問題も絶対あるのです。ある程度のレベルまでいけば、それを取りこぼさなければ受かるのではないかと思います。その程度の差がとてつもなく大きな差であることを私は5月に思い知らされました。。
12月の短答を見ると、財表と簿記をからめて理解する必要性が高まってきたと感じました。
包括利益のリサイクリング等従来の短答問題集をいくら解いても理解できません。
しかしまぁ皆が取れる問題をきちんと取れば受かる。大原の佐俣先生がいつも仰ってる通りだと思います。
【財表】
@総論部分に関しては、テキストや配られたレジュメ等で理解を深める。
A個別の基準については基準本文はもちろん、結論の背景を読む。
B肢別チェックを回す。2,3回でいいと思います。
C短答答練にでた範囲をひたすらつぶす。
D過去問が手に入るなら過去問も回す。似たような論点がよく出てます。
財表に関しては、以前のように実務指針等から出題されることがなくなったので、基準の読み込みでだいぶ対応できると思います。結論の背景、あわよくば論点整理など読むことができれば理解も深まりますし、論文にもつながると思います。
【管理】
@計算…論文の勉強で対応できると思います。ただ短答となるとスピードが問われるので、原価計算に関しては私は似たような問題を何度も解きました。
A理論…ハイテク管理会計に関しては、大原では出た肢は覚えましょう、といった方針だったと思いますが、基本用語、基本構造を理解し、イメージをしながら文章を読むことができれば意外と簡単です。初見でもだいたい肢が絞れるようになると思います。原価計算基準に関しては、基準を一度全部流し読みし、次は基準を読む→その部分の肢を解く→もう一度基準を読む。 これでだいたい解けるようになると思います。
管理は今回計算の分量が増えたので、ますます論文対策がそのまま短答に活かせるようになったと思います。
【監査】
@総論部分…二重責任の原則、一般原則など総論部分は、テキストを読んで理解した方がいいです。監査論は意外と首尾一貫してて、基本的な考え方がわかればそれに反する肢が意外と簡単に見つかるものです。ずっと心象的には不安な科目でしたが、基礎を理解してたので結果的には安定した点がとれたのだと思います。
A実施論、報告論等…私の場合、テキストは全く使わず、文章を頭に刷り込ませるイメージで委員会報告書原文を何度も読みました。イメージや理解はあとから付いてきます。これは今から考えれば効率悪い方法だったかもしれません。
B品質管理…これは問われる問題は決まっています。報告書を一度読んだらあとは答練に出た範囲を抑えればいいと思います。
C倫理規則、CPA法…これも試験一週間前と前日に暗記です。
【企業】
@肢別チェックをさっと一回まわす。
A条文を通読
B肢別チェックを解きなおし、わからない肢があれば条文にもどる。
CAXLの一問一答が手に入るならこれを2回転。
D答練間違えた部分を解きなおす。
E商法総則もテキスト読みつつ肢別を2回転
F金商法はテキスト読んで、余裕があれば肢別まわす
商法総則と金商法は勉強してもしなくても結果的に2/4くらいになると思います。
あと会社法で14/16とれば8割でアドバンテージになると思います。
会社法は条文通読の効果が結構大きいと思います。これは論文にも間違いなく生きてくるのでお勧めします。あとは肢別系の問題を解く量に比例して点数も満点近くまで伸びると思います。
アカスクの方は、商法総則を捨てずに勉強した方がいいと思います。意外と費用対効果がいい分野だと思います。
このような勉強方法で全科目7割以上取れました。
参考になれば幸いです。
論文式試験の攻略方法
論文式の勉強は、短答式を合格した時点でだいたいのインプットは完了していると思われるので、その大半が答練の受験・復習になると思います。時期的には、私は12月に短答に合格したのですが、そこから租税法・経営学を勉強しても十分間に合いました。
以下科目ごとに書いていきます。
【簿記財表】
計算の勉強をどこまでやるか、というのは難しい問題です。
本年度の第三問の計算は私は3問しか正解しませんでしたが合格していました。
そう考えると、簿記の計算を捨ててしまうのも手かもしれませんが、やはり全く簿記を捨ててしまうのはリスクが大きすぎるため、私は短答対策で計算の基礎的なインプットを維持しつつ、論文で重要性の高い連結・企業結合の理解に努めました。
答練で出題される最低限の問題は確実に解けるようにし、また、連結・企業結合は、全体像の理解及び個々の仕訳のこの処理にどんな意味があるのか、といったことを理解できるまでやった方がいいと思います。特に企業結合に関しては、理論と計算が深くリンクしているので、計算の前提知識が定まっていないと、理論の理解も困難になると思います。
財表に関しては、私は大原生なんですが、大原のテキストは一回も見ませんでした。TACのテキストの方がきれいにまとめてあって見やすいです。
論文式試験では、テキストに載っている典型的な理論や答練で問われるような問題も出題されるのでこれらをおろそかにすることはできませんが、テキストや答練を完璧にしたからといって合格できるかと言われると、YESと断言はできません。本年はIFRSと国内基準の差異に関する問題等、法規集のほぼ読まないであろう部分からも出題されていました。
私は、TACのテキストや大原の答練を暗記のベースに、また理解を深めるためにAXLの野坂先生の講義を利用し、さらに今まで発行された論点整理に全て目を通しました。論点整理は重要な概念が体系的に整理されているため、各論点に関する問題意識や、理解を深めるのに役立つと思います。
【管理会計】
管理会計の計算は、短答レベルで十分だと思います。後は答練を受けるにつれ、論文形式の出題になれると思います。答練以上の難しい問題は本試験では埋没すると思います。本試験では時間もどうしても足りないため、基本的な問題を正解するだけで計算は十分です。
理論は私は友人に譲ってもらったLECの理論問題集をやりました。大原の講師からも管理の理論はLECの理論問題集をやってたら大丈夫だと言われました(笑)。
以上会計学について書きましたが、会計学T・Uでは、短答対策時にどれだけ計算を完成させているか、ということが重要になってくると思います。
【監査論】
監査論は答練でA判定だったりE判定だったり、終始安定しない科目でした。
だから特別な攻略方法みたいなものを書くことはできないのですが、私が心がけていたことは、
@絶対に論点ずれを起こさないこと。
A分からないことは講師に迷惑と思われても気にせずとことん質問すること。
B暗記すべきところは確実に暗記する。これを落としたら努力不足。泣くに泣けないから。
ぐらいです。後はひたすら答練を回していました。答練をひたすら回すことによって、@の論点ずれは大幅にへると思います。またその過程で、監査論における重要な概念の理解がだいぶ身に着くと思います。また、監査論も法規集の読み込みは重要だと思います。私は短答対策時以上に読み込んでいたと思います。テキストは全く利用せず、全部法規集で勉強していました。
【企業法】
これまた特記すべき攻略方法といったものはないと思います。理解よりも先に暗記が立つ科目だと思います。論述時に参照する条文は、短答対策時に六法を逐条読んでいたら対応できると思います。
論文対策としては、毎回の答練の前に出題範囲分の問題集を読み・暗記することを心掛けていました。基礎・応用・直対とこれだけでも3周できます。暗記の方法としては、
@ 文章構成の大まかな流れを暗記。
A 模範解答の右枠の空欄に、各段落の要旨を自分で簡潔にまとめる。
B 絶対暗記すべきフレーズ、会社法独特の言い回しを暗記。
といった感じです。所属する予備校の問題集を理解しつくしたら、私は他校の問題集も見ていました。同じ問題だと、予備校ごとに採っている説が異なったりするため混乱するため、見慣れない論点だけみて知識を補充していました。大原では表見取やら名目取やらをあまり厚くやらなかったのですが、TACのレジュメは大変わかりやすく助かりました。
【租税法】
租税法は最初はすごくとっつきにくかったのですが、とりあえずまずテキストを一周させました。
私はこうしてるうちに、租税法的な考え方がだいたい身に着いたのだと思います。
後はひたすら答練を回すだけでした。
法人税で見知らぬ処理がでてきたら、会計上の仕訳と税務上の仕訳を自分で切って、あるべき調整を導き出します。これも感覚的なものなんですが、答練を繰り返しているうちになんとなくわかってくると思います。 消費税はひたすら暗記しかありません。所得の計算は、やるならしっかり。やらないなら思い切って捨てるのもありだと思います。私は中途半端に所得に手をだしてしまい、まったく身に付かないまま本試験に臨む羽目になってしまいました。
理論については、私の勉強方法は直前に詰め込むだけだったので、参考になりません。こうしとけばよかったという反省としては、論文直前になって焦ってやるのではなく、定期的な勉強スケジュールに組みこんだよかったと思います。内容自体は、他科目の理論と比べると中身が全然ありません。ちょっと時間をかければ、得点源になったかもと思います。判例も余裕があれば目を通した方がいいと思います。
【経営学】
経営学ほど対策のしにくい科目はありませんよね。。
勉強手順としては、まずはやればやるだけ点が伸びるであろうファイナンスを完成させるとよいと思います。私は12月短答後から合格発表までの1カ月間の間ずっとやっていました。この一カ月はファイナンスしかやっていませんでした(笑)。
ファイナンスも簿記や管理と比べたら平易な計算なので、一度完成させたらしばらく放置しても、そこまで忘れることはないと思います。ですのでファイナンスを完成させたあとは、答練でファイナンスの復習をしつつ理論のインプットを空いた時間にやっていました。
以上で私の合格体験記とさせていただきます。