4歳児の父さん(男性・35歳)の合格体験記
自己紹介
理系大学院修了後、2000年から一般事業会社に7年勤務した頃に、勤務先で監査対応をするようになり、その時に会計士の仕事ぶりに感動して、会計士を目指し始めました。まったくの初学者、32歳からのスタートです。
以下、時系列で体験を綴ります。
2007年の出来事
仕事をしながらの勉強だけでは合格するのは厳しそう。
でも、いきなり会社を辞めたり長期休業したりするのも不安だったので、
まずは、自分の試練に対する耐性を試しました。
その1 当時173cm80kgだった体重を65kgにできるか?
→ 4ヶ月で達成。
その2 TOEIC500点を2ヶ月で200点以上UPさせられるか?
→ できました。
その3 簿記2級に1ヶ月半で合格できるか?
→ できました。
2008年の出来事
まーこれだけ自己管理できたから、多分会計士試験もやりぬけるだろう、と自信をつけ、会社を休職しました。1歳半の子供がいて、妻が産後〜1歳半まで育児休職を取ってました。その妻が、育児休職後にバリバリ働きたそうだったので、私が1歳半〜3歳の1年半育児休職を取得。育児をやりながらでも、勤めながらよりは、遥かに時間が確保できると考えての作戦です。
2008年4月休職開始、同時に2009年合格目標の大原の通信コースで勉強開始。(講座自体は2008年夏に申込み済み。簿記2級の部分まで取り組んで、簿記2級合格後は放置していました。)この頃の1日の平均勉強時間は約5時間。もっと時間を取れると思ったけど、しっかり育児も楽しんでいたかったので、これが限界でした。
時間節約術としては、ありきたりですが、DVDは1.5倍〜2倍で再生。
理論科目は、チョー適当に復習(ざっと眺めるだけ!)
→ 実は、この時期大原の全ての科目の講師が口をそろえて「今の時期大事なのは計算。理論は軽くやれ」
と指示を出してくれます(理論科目の先生も)。まじめな人は、これを受け入れがたい(一生懸命復習したくなってしまう)と思うのですが、ずぼらな私は信じてみました。その分、計算のために手を動かす作業には時間を割り当てました。
この成果もあってか、2008年11月にはだいぶ計算も仕上がってきていて、力試しの簿記1級に合格して、この年は終わります(合格発表は1月でしたが)。
2009年の出来事 前編 休職中 2009年1月〜9月末
そのまま、答練期+短答直前期に突入。相変わらず育児メインだったので、勉強時間は1日5時間。今から思うと、これがまずかったかも。徐々に、遅れが出てきて、短答答練は1回もスケジュールどおりに提出できず。5月のGW過ぎてから子供を実家にあずけてラストスパートしたけど、試験前日も夜中まで勉強してしまい(だって、あしべつの2回転目が終わってなかったんだもん)、試験当日午後には体調崩して発熱する始末。これで簿記の調子があがらず。さらに勝手に切った部分時価評価法が出題されてOUT!結果、69点/70点で不合格!これで、育児休職中に論文合格が不可能に。相当がっかり。(育児休職は2009年9月末まで)
ここらで撤退をするか?と考えたけど、この頃の論文答練の出来はまずまずだったので、10月から会社に復帰しても、もしかしたら、会社に勤めつつの勉強で何とかなるかも、と踏みとどまりました。しかも、ラッキーなことに短答年2回化のはじめの年で、1年待たずに再チャレンジできる、という追い風も吹いていました。復帰後にはおそらく通勤電車がメインの勉強時間になり、机に座っての電卓作業の時間は十分に確保できないと思い、休職終わるまでの期間は、計算力の向上に重点を置きました。
なお、消化試合でしたが、残った答練と模試は全て受けました。
模試結果 52
短答に通過できていたら、本番も勝負になっただろうに、と悔やみました。
2009年の出来事 後編 復帰後 2009年10月〜12月末
会社復帰月の10月、すぐに、短答答練スタート。2回目だけあって、 めちゃくちゃ成績が良くて気持ち良かったです(二桁とか)。 ただ、時間は確保できず、1日の勉強時間は 平均3時間程度。この時間だと、短答答練をまわすのが 精一杯。そして、、、結果は71.2点/71点 すれすれ合格。
悪かったのは、簿記。やはり答練だけまわしていると、 知らず知らずのうちに、相当ヤマを張った勉強になってしまいます。 テキストで、だいぶ前に見たので、知ってるけど忘れてる論点が たくさん出題されて、試験中に「キチンとテキストに戻って 復習してる奴らには楽勝だっただろうな」と感じました。 1日3時間しか確保できないと、テキストに戻る余裕はありませんでした。 しかも、答練で成績が良かったので、戻らなくてもいいじゃん、と 勘違いしていました。
なお、大原の講師の方は、答練解説中に何度も 「テキストにもどってね」と指示を出されていました。 自己採点後に、このぼやきをスタペ掲示板に書き込んだら、 「テキストに戻らないとやばいね」とどなたかが、アドバイス くれました。
2010年の出来事 前編 模試まで 2010年1月〜7月20日
1月の短答合格発表後、やや中だるみ。仕事もちょっと忙しくて 3月末までほとんど勉強に手が付かず。 ただ、会社の昼休みに、租税法だけは問題集をこつこつ取り組みました。 なお、ここからは、答練のみを通信で受講しています。 改正が大きい、財表と租税だけは、テキスト欲しさに上級を申込みつつ、 受講はせず。 4月から本腰を入れ始めました。ただ、本業も忙しくてやはり1日平均 4時間程度しか時間確保できず。 そこで、いくつか工夫をしました。
@簿記と管理のステップ答練(大原の計算特訓用答練)中止
その代わり、簿記は問題集を回転。管理は論文答練しかやらない。
→ 本来両方やるのがベストだと思いますが、時間がどうしてもなかったのです。
A租税法 答練一切中止 問題集だけに絞る。
→ たまーに、論文答練で力試ししたら、成績向上が確認できました。
B会社の仕事と称して、仕事中に社員向けメルマガを書く。
→ もちろん、内容は試験に出そうなネタ。
人に説明することによって、論文対策にもなるし、
いちおう、会社の仕事として認めてもらえた。
後になって思うが、結構これが効いたと思う。
人に読んでもらう文章を書くという練習が良かった。
財表、監査論、管理会計理論が中心。
C企業法は、総まとめテキスト1問あたりA4 1枚に 殴り書きで要点をまとめてトイレに貼ってトイレのたびに 見るだけ。1トイレにつき1問 これで維持は出来ました。 汚い話で恐縮ですが、小も座ってする、と言う工夫で時間を 稼ぎました。
D会社の実務に、習ったばかりの管理会計手法をいろいろ
取り入れてみる。
→ 品質原価計算とか、業務改善に役立ちました。
結果、徐々に簿記の計算力が低下。特に連結・企業結合がひどかった。
これは、1時間問題をやり続けないと維持できないようです。
それ以外は、ちょっとずつ向上。
こんな感じでの大原模試成績は51
1日平均4時間程度でよくこんだけ維持できたと自分をほめてあげた。
2010年の出来事 後編 模試後 2010年7月21日〜8月19日
7月20日以降、試験日までは、いろいろと理由をつけて、 会社を休みまくってラストスパート。 自分に不足していた簿記計算力を補うために、 ヤマあてのABランク答練を解く。朝のすっきりした時間など 質・量ともに結構な時間を計算に割り当てる。 この時期に計算を中心にするなんて非常識?と思われそうだが 自分に不足しているのは計算力だと信じて取り組む。 理論科目は、総まとめテキストを回転させまくり。 ひたすら読む。 この時期の1日平均勉強時間は12時間以上。 ただ、体にガタが来て8月15日以降、整体のお世話に。35歳はしんどい。
本試験 2010年8月20日〜22日
1日目 監査論、租税法
1度目の短答式で、当日の体調が極めて重要だと身にしみて理解できていたので、前日は早く寝たかった。でも、租税法が気になって結局12時ぐらいまで勉強してしまった。
※実は前日に大問題発生。租税法問題集を昼休みにこつこつやった、と書きましたがそのせいで、成績が一時とても良くなっていました。そのせいで、租税法計算はもういいや、と直前期に怠っていて、前日に、確認してみると問題集のAレベルもすらすら解けない!というわけで、夜中まで知識の補修をしていたのでした。
案の定、1日目の午後の租税法時に発熱してまたしても解熱剤を飲みながら、受験。さすがに懲りて1日目の夜はさっさと就寝。
成績 50.3、44.65(体調不良+計算特訓を直前に怠ったせい)
ただ、租税は理論で大原のヤマがものすごい当たってたので、成績が悪い、という自覚症状が試験期間中には無くてよかったです。ヤマが当たってなかったら今年は落ちていただろう。。。
2日目 会計学T、U
実務でも管理会計に取り組んでるだけあって、楽勝。ただ、だいぶノリノリで取り組んでいたので、お昼休みに、「管理会計の時、電卓がうるさかったです」と隣の席の方に怒られる。ごめんなさい。会計学Uも、直前に計算特訓時期を持ってきたので、楽勝でした。財表は空欄を作らない、と言うポリシーでわからなくても、それらしいことを作文。
成績 56.18
3日目 企業法 経営学
企業法は、大原生にとって、一見楽勝と思って取り組み始めて
トラップがあることに気づく。でも気づくのが遅くて、
解答欄の序盤に要らないことをたくさん書きすぎたのに
消して対応する勇気を持てず。
しかたなく字をちいさくして、なんとか問に答えた。
経営学
会社員には、追い風。日ごろ趣味で読んでる本のネタが結構出題される一方、テキストでは見慣れない話が多かったので、内心ガッツポーズ。
成績 50.45、51.3
総合 52.17 1,981位で合格。
就職 2010年8月下旬〜9月上旬
某大手監査法人に内定。転職の予定です。35歳でも職歴等で人物に興味を持っていただけたようです。
まとめ
会社勤めや育児など、勉強に専念できない環境でも 工夫次第では、1日3,4時間程度確保できれば、 2年半で合格できることを、実証しました。 ただし、成績を見てお分かりと思いますが、 相当スレスレのレベルまでしか到達できないでしょう。 ぎりぎり合格なのに、えらそうなことを書くな、 と怒られそうですね。
ただ、受かったので書けるのですが、これは作戦通りです。 このぐらいの勉強量でも、なんとかこのぐらいの成績は とれるだろう、というラインを読んだ上での結果なんです。 だから、試験後から発表前の「今年の合格者数が1500人かも」 、と言う噂には参りました。自分の予想順位は1500〜2000位だった からです。。。
主張
取り組んだ工夫をいろいろ書きまして、そのまま役立ちそうなものはぜひ活用してもらいたいのですが、読み手の方に、ぜひ感じてほしかったのは...
→ 時間がない人は、工夫が大事です という事です。
・成績が上がっている科目があって、下がっている科目があるなら、勉強時間を互いに融通しあう、という工夫。
・勉強時間以外に、成績向上につながる作業をする、という工夫。
・工夫を考えるのに、結構な時間を費やす、という工夫。
時間がない中、作戦タイムには相当時間を費やしました。 例えば、答練をやらない、という工夫は合格したいと思っている人間にとって、それなりに考え抜かないと、怖くて実行できません。本当に、自分にとって、要らないのか。情報収集と成績分析は、短時間には終わりません。
もちろん、時間がたくさんあれば、勉強しまくればいいのですが、 時間がない人は、ない中で出来るだけ勉強するのはもちろんですが、 何をやるかは、相当に慎重に決めなければならないでしょう。
おわりに
ここまで、読んでくださってありがとうございます。 途中にも書きましたが、スタペ掲示板にはお世話になりました。 あの掲示板は、偉大です。やや2chっぽいところも ありますが、上手く活用すれば、すばらしい情報源です。 スタペ運営の皆さんに感謝します。
また、大原簿記学校の先生方に感謝しています。 いつもは電話越し、PC画面越しにしかお会いできない 先生方に、祝賀会でお礼を伝えられて良かったです。 大原簿記学校の受講生フォロー体制はすばらしいです。 何かあれば、すぐに職員室に電話させてもらっていましたし、 夜中に気づいたことがあってもWEB質問コーナーがあるので、 そこに書き込むと、たいてい翌日には回答が来ました。
それでは、この辺で。
なにかありましたら、お気軽にツイッターにて。
アカウント:nobuhiro_