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random walkさん(男性・29歳)の合格体験記

自己紹介

私は、大学院の修士課程を卒業後国内の金融機関に勤務しておりました。
公認会計士試験の受験勉強に専念するため、2008年3月末で同金融機関を退職し、会計の知識はほとんどない状態から勉強を開始、TACに通い始めました。

そして臨んだ2009年度の短答式試験は力及ばず不合格でしたが、二度目の受験となる2010年度第一回短答式試験(得点率75%)、2010年論文式試験(1,200番台)に合格することができました。

好成績で合格したわけでもなく、受験期間も決して短いとは言えませんが、これから受験される方の参考に少しでもなればと思い投稿させていただきます。

ちなみに、得意科目は管理会計論と統計学で、苦手科目は租税法でした。暗記が多い科目は年齢的にも若くないためにきつかったです。

試験勉強中の生活について

受験勉強に専念していることから多くの時間を勉強に割くことが物理的に可能でありましたが、反面、ただ時間をかけて勉強するということに重きを置きがちになるのは避けようとも考えていました。あくまでも答練や本試験の結果というアウトプットの出来不出来で勉強時間を調節することを第一に考えていました。

また、勉強の出来不出来とは関係なく、妻とのデートは絶対に欠かせないものでした。気分転換や休息なく取り組むことは逆効果でしかありません、目的達成のためにはほどよく気分転換するべきだと思います。この生活により、良い結果を出した自分にある意味でのご褒美を与えることができ、自分自身に対してより少ない時間でより良い結果をだそうとする動機づけを与えることができたと自負しています。

また、就職活動までが一連の試験と言っても差し支えない状況である昨今の状況を鑑みて、受験仲間や昔の友達や先輩等からの誘いはなるべく受けて、なるべく多くの人との接点をもつことを心がけていました。受験に専念すると、自分でも気がつかないうちに上手く話せなくなったりしているものですし、受験専念の生活は孤独になろうとすればいくらでも孤独になれてしまう生活です。

人付き合いを大切にし、社会に出ている人から多くの刺激を受け、情報収集を積極的に行うことが、長い試験勉強生活の中で初志を貫徹する一助となり、社会へ出て活躍したいと自発的に思うきっかけとなるのではと考えています。

勉強方法総論

前項でも述べたのですが、答練や本試験の結果がよくなるように、成果重視で努力することを怠らないことが第一だと思います。そのためには、どの科目についてもまずは日々の講義をしっかり受けて、復習をしっかりして、時には講師の先生に質問して、わからないことを積み残さないでなるべくすっきりした状態でいられるようにしてください。

これは所謂当たり前の事の積み重ねですが、初回受験者だけでなく、過年度生に関しても言えることだと思います。事実私は、一回目の受験が失敗に終わった後、上級期の授業を全て真剣に受け直したことによって、答練の成績も上昇し、この積み重ねが合格に繋がったと考えています。

ところで、答練で目標の点数を取ったからと言ってそれで答練を終わらせてしまうのかというとそうではありません。あくまでも答練での良い成績というのは、答練受験時においてであって、合格者の大層は公認会計士の本試験までには答練で出題された範囲については完璧に仕上げてくると言っても過言ではありません。

したがって、答練の復習は完璧にしてください、本試験で出題されたとき何があってもできるように。答練で出題されていない範囲については、費用対効果を十分勘案し、講師の先生が比較的出題されそうとおっしゃられている部分や自分が「ここ出題されると特に嫌だなぁ」と感じる部分を重点的に勉強するのが肝要だと思います。

勉強方法各論〜科目別勉強方法

@財務会計論計算編

基礎期にいやというほど反復しておくと得意になるようです。私はそれを怠ったため、とりわけ短答式試験において大きな苦労をしました。総論部分と重複しますが、特にこの科目においては、答練やアクセスで出題された問題は「その日のうちに完璧にする」事を最低限やったほうがいいと思います。

また、学ぶ過程で「どうしてこのような計算をするのだろう?」と言う疑問が生じた場合は、理論編の当該箇所等あればそれを読み込み、計算と理論をなるべくリンクさせるというクセを上級期にはつけておくほうが良いと思います。

A財務会計論理論編

これは理論系科目全てに言えることですが、出題範囲が広く、論点の丸暗記では対応できません。まずは講義中にしっかり何が理解出来て何が理解できないかを明確にして、理解できない点は自分の頭を使ってしっかりもう一度考え、それでもわからない時は講師の先生に質問しましょう。そうして各論点を理解し、考え方の似ている論点をまとめるなどして、自分なりの切り口で良いので論点間に横串を指すイメージで整理します。

この方法で単純な記憶による高負荷の勉強方法を回避し、自分なりの整理した引き出しを作って記憶することができます。このことは管理会計論の理論や監査論においても言えるかもしれません。

また、計算とリンクさせることも欠かさないことが重要です。計算させて、背景にある理論について問うという形式は本試験においてもよく出題される形式ですし、理論と計算を有機的一体として各論店を抑えることが勉強効率向上にもつながると思います。

B監査論

私たち受験生は財務諸表監査の経験が当然に無く、また出題される問題も題意をつかむことが難しい問題が散見される等、受験生にとってはとっつきにくい科目だと思います。しかし、とっつきにくさは誰にとっても同じですし、今後公認会計士として財務諸表監査を志す者として乗り越えるべき壁であることに間違いありません。

この壁を乗り越えるために有意義なのが講義中の講師の先生のお話だと私は思います。実務を経験された先生が、私たち受験生に監査実務のイメージを沸かせるようにしてくださるお話は大変貴重ですから、しっかり聞いてイメージを具体的に持てるようにするべきだと思います。それでもイメージしにくい場合は質問に行くなどして、とにかく自分なりのイメージを作りましょう。

C管理会計論

この科目のポイントは大きく分けて二つだと思います。一つは理論と計算をリンクさせることです。近年の論文式試験においては、出題者がある理論的背景を元に、計算問題と論述問題を出題するという傾向にあります。ただ単に計算ができるだけでは対応できない問題ですから、普段の学習から「なぜこのような計算をするのか」ということをしっかり考えて計算問題に取り組むべきかと思います。

また、もう一つのポイントは時間との戦いだと思います。科目の特性上どうしても、資料等の前提条件を分析するのに時間がかかる、またはパズル的要素が問題にふんだんに盛り込まれる、といった問題が出題されることが多く、計算も煩雑なものが出題されたりします。このような特性はともすれば、勉強しているのになかなか点数が伸びない、もしくは点数に波がある、というジレンマを生みかねません。

このようなジレンマをなるべく生まないためにも、普段からストップウォッチなどを使って問題を解く時間を意識することや、答練での問題の取捨選択を意識することを徹底して行うべきだと思います。

D企業法

法律関係に不慣れだとアレルギーを起こしがち、または単純な暗記に逃げがちとなってしまう科目だと思います。事実、私も、丸暗記型の勉強法を直前期まで行っておりました。そのため、答練の点数は乱高下してしまい、中々安定しませんでした。この点に関しては、私も克服しておりませんので、アドバイスめいたことが書けず申し訳なく思っております。

E租税法

直前まで大の苦手で、税法自体にあまり興味が持てないでいました。計算にしても理論にしても、政策的観点が重視され他の科目ほど理論的側面が多くないことがその理由です。すなわち、この科目を学習する際には政策的観点によって決定されていることが多い事を飲み込みつつ、ある程度の暗記は厭わないという姿勢を持てるかどうかがポイントと言えるかもしれません。この姿勢を持った結果、直前期から成績も持ち直し、本試験においても合格レベルに達したのだと思います。

F統計学

この科目は、選択科目でもマイナーな科目に属し、選択する人の大半が「統計学は得意だ」との自負を持って選択することに特徴があります。実際に、今年の本試験のような比較的手のつけやすい問題では高得点の争いとなり、今後も出題次第ではありますが高得点の争いとなることも十分に考えられます。したがって、他科目以上に、予備校で習ったことは完璧にするとともに、過去問分析や過去問の周辺知識の調査を行うと良いと思います。

また、試験場では、見慣れない問題でも今年の本試験のように誘導がしっかりしているものもが出題されることもあるため、問題をしっかり見極めて一問でも多く得点するという気持ちを強く持つとよいと思います。

G就職活動

公認会計士試験受験生にとって最後の関門となっているのがこの就職活動です。事実、私も合格発表前はどこからも内定がもらえず、この関門に苦しんでいましたが、合格発表後ほどなくして内定をいただくことができました。この試験に合格したことで自信を持って面接に望んだことがよかったのだと思います。確かに、就職難が囁かれる昨今において、選考の倍率が大変高いのは事実だと思います。それにひるまず自信を持って面接に臨めば良い結果が得られるのではないかと思います。

最後に

大変主観的な拙い文章を最後までお読みいただきましてありがとうございます。
合格するまでに大変な時間と労力を要する試験だけに、勉強方法も千差万別かとは思いますが、もし私の意見が参考になればと思いまして今回投稿させていただきました。勉強方法もさることながら、最も大事なのは「絶対に合格する」という強い意志を持ち続けることだと思います。


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