クラッシュさん(男性・19歳)の合格体験記
自己紹介
はじめまして、「クラッシュ」と申します。
私は、高校3年次に資格の大原で簿記の勉強を始め、簿記2級を取得の後、大学入学と同時に資格の大原公認会計士講座で、公認会計士試験の勉強を始めました。コースは1.5年スプリングコースでした。2011年第1回の短答式試験に合格し、8月の論文式試験についても幸運にも突破することができました。
大学と予備校の両立
近年は公認会計士試験の受験者が低年齢化してきていると感じます。かつては、年齢制限等もあり、受検者層は主に大学3年生以降の大学の講義に余裕がある方ばかりでした。しかし、こうした制限も撤廃され高校生でも会計士試験突破を目指す時代になってきました。
このような状況の中で、講義数が多く大変な大学1〜2年次において、予備校といかに両立させて充実した日々を送ることは、若年層の受験者にとって大きな課題になってきているのではないかと考えます。こうした悩みを持っている方には私の体験が少しでも参考になれば幸いです。
短答式試験まで
近年は短答難化傾向にあり、合格率は低下傾向にあります。そのため、短答式試験を突破することが会計士試験を制する上で非常に大きなウエイトを占めてきています。私の周りでは、「短答さえ受かってしまえば論文はなんとかなる」という声さえ聞かれるくらいです。このような状況下で私がとってきた勉強方法をご紹介したいと思います。
私は、4月からTレクチャーの勉強を開始しました。当初は、1日レクチャーを1回受けて、その範囲の問題をきちんと解いて次のレクチャーに臨むというスタンダードな勉強方法をとりました。また、大学と予備校が近接していたこともあり、授業の合間にレクチャーを見て時間を有効活用することを強く意識しました。
大原生であれば、最初にとりかかるTレクチャーはテキストが分厚く、心が折れそうになることもあるかと思います。しかし、Tレクチャーを通じて、レクチャーと復習を通じて勉強の癖をつけることは、その後の勉強の能率を大きく向上させることにつながるので、最初からエンジン全開で頑張ることをお勧めします。
このように夏休みまでは、レクチャーと講義を時間の有効活用(倍速再生等も効果的)によって基礎を身につけました。最初はとにかく、カリキュラムにしっかりとついていくことが重要です。脱落者の大半は、レクチャーがついてこられなくなることが原因です。これを逆に考えれば、ついてこれてさえいれば、一定のアドバンテージを得ることができます。
夏休みは、全力で挑むべきです。大学生の場合平均的に約2カ月は夏休みがあります。この約60日間を利用しない手はありません。両立を意識しなくてよいこの期間は、朝から晩まで徹底的に計算問題やレクチャーを消化しましょう。夏休みの頑張り次第で、大きな差がつきます。周りを見ていると、本当に如実に差がつくことに気づきました。
ただ、特別なことをする必要な何もありません。才能もいりません。やる気さえあれば全然大丈夫です。私は、特に計算科目の完成を目標に日々取り組みました。1日1時間問題×6の計算を解いて、そのあとレクチャーの流れで頑張りました。後半は理論科目のレクチャーも受けました。
夏休み後は、再び大学との両立です。夏休みと同様の時間が取れないため、正直私自身かなり焦りました。しかし、夏休みに基礎さえしっかり作っておけば、実力は伸びてきます。入門生の実力は短答答練を受けるごとに伸びていきます。自分も受験前は、成績が上がらなくて正直焦っていました。でも振り返ってみると、短答本試験の出来が一番良かったです。あきらめないで頑張ったもの勝ちです。
両立に関して最も大事なことは、各人の意識だと感じます。予備校には、大学の講義には一切出席せず、会計士試験の勉強に専念する人も確かに多いのが現状です。しかし、意識次第で、いくらでも両立はできます。時間を有効に活用し、集中して勉強することが大事です。また、大学の講義に出席することで、気分転換になったりします。
私の場合は、短答式答練では70%越えが1回だけでした。しかし、本試験では81%の得点を獲得することができました。全ての人に当てはまるとは思いませんが、最後に実力が急上昇することは、あまり珍しいことではないそうです(講師談)。最後まで、粘って頑張ってください。
論文式試験
論文式は短答に比べれば、大分気が楽に望めます。まず、1/3の人は合格できる試験です。短答の合格率が10%を切るような現状と比べてもかなり受かりやすい試験です。もちろん短答を勝ち上がってきた集団との争いになるため、それなりの準備は必要ですが、12月短答を突破した場合、8か月の準備期間があるため、焦らずじっくり準備することができます。
私自身勉強のエンジンを全開にしたのは、3月の震災がひと段落したころからです。それまでは、租税法や経営学の基礎をしっかりと学習しておけば問題はないと思います。
また、論文と短答の大きな違いに答練の数があげられます。大原の場合、ステップ答練に加え、論文答練も追加され、答練だらけになります。多い時は、週8回答練がありました。よって、答練を受けずに溜めてしまうと、消化するのも困難になってしまいます。ですから、答練だけはしっかりと受講していくことをお勧めします。論文答練のペースに合わせて、各科目の勉強をしていけば自然に実力は向上していきます。
論文式試験の大学との両立ですが、答練があるため、タイムマネジメントが非常に重要になってきます。しっかりとスケジュールを組んで対応するといいのではないかと思います。
論文式試験は、論述式試験であるため、暗記事項が多くなりますので、短答の時以上に、テキストや問題集をしっかりと読み込んで、アウトプットできるように訓練していくことが大事です。最終的には、各科目とも暗記量が多く“完成”はしないと思いますが、8か月を上手に利用した方なら、いい結果が出やすい試験だと感じます。
論文式試験における各科目勉強法
財務会計論(計算)
とにかく答練(ステップ)をぐるぐる回していくことが大事です。ここに計算の全てが集約されています。
財務会計論(理論)
答練やテキストの典型論点の暗記。単純暗記ではなく、理解して暗記することで、応用問題への対応力を身につけました。尚、法規集は一切使用しませんでした。大原は、出そうな所は答練か問題集に問題が収録されています。
管理会計論
計算はステップを中心に忘れない程度にやっておけば、短答合格レベルの知識で十分通用します。理論は理論テキストのみ。手を広げすぎないことが一番と考えました。難しい問題は、“何か書く”努力をしました。
監査論
テキストの読み込み。監査論は最後まで勉強方法が定まらず苦心しました。答練の復習も大事ですが、答練だけではカバーできないところが多数あるのでテキストベースがいいとおもいます。
企業法
問題集と答練の問題の暗記。これだけで、本試験は通用します。トータル約60題程度ありますがこの60題の精度をいかに上げるかが重要です。また、余裕があれば、条文の背景をしっかりと理解するといいと思います。
租税法
とにかく法人税と消費税の計算。最初は苦痛かもしれませんが、ある日を境にとたんに楽しくなってきます。理論に関しては判例をしっかりと理解することが大切だと感じます。基礎論点はあまり出題されません。余裕があったらでいいと思います。
経営学
ファイナンス部分に関しては、基礎的な問題をしっかり解くことができれば大丈夫です。組織論戦略論部分はポケットコンパス!!これでいけます。ポケットコンパスに載っている問題は全て解けるようにしておけば、本番では十分結果が残ると思います。