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simple_artさん(男性・27歳)の合格体験記

はじめに

2011年公認会計士論文式試験に、受験3回目(短答1回、論文3回)でやっと合格できました。
社会人経験があり、他の平均的な受験生より遅い年齢でのスタートでしたので、一発合格を目指して意気揚々と会社を辞めました。これから自分が地獄の日々を経験することになるとは知らずに・・・
この合格体験記が少しでも受験生の方々の参考になれば幸いです。

まずは、簡単に自己紹介をさせていただきます。

受験期間: 3年4ヶ月(但し、論文試験後〜合格発表までの3ヶ月間は09年、10年とも何も勉強していません。)
受験回数: 3回(短答 2009年5月合格、論文2011年合格)
学習開始時年齢: 23歳(社会人経験1年あり)
論文合格時年齢: 27歳

利用した予備校

 2009年目標:
   LEC2009年一発合格コース(2008年4月〜) ※通信
   AXL 財表、監査 直前講義
   大原  経営学 新試験委員対策
   大原  企業法・租税法・経営学 総まとめ講義
 2010年目標:
   大原上級論文コース ※通学
   AXL 財務理論・監査 論文講義
 2011年目標:
   LEC論文コース ※通信(答練のみ通学)
   大原 租税法 総まとめ講義

本試験成績

 短答 2009年5月 371点
       (企業法85点、監査論65点、管理会計70点、財務会計151点)
 論文 2009年 換算得点総合44
     (一番良かった科目:企業法52 一番悪かった科目:租税35、足きり)
     2010年 換算得点総合50
     (一番良かった科目:管理会計57 一番悪かった科目:財務会計45)
     2011年 換算得点総合54.5
     (一番良かった科目:財務会計58.2 一番悪かった科目:管理会計46)

平均学習時間

学習のペースとしては週1回は休みを入れていました。
夜型生活を送っていた時期が多かったです。直前期だけ朝型でした。
1日のだいたいの学習時間は手帳にメモしていました。各科目の勉強時間はチェックしていません。
2010年目標から週1〜2日アルバイトをしていました。
学習時間はいずれも1週間単位です。

 2009年目標
   2008年4月〜2009年5月短答まで   48〜55時間
   2009年5月短答後〜論文試験まで    35〜42時間
 2010年目標
   2009年12月〜2010年6月      45〜50時間
   2010年7月〜論文試験まで       65〜70時間
 2011年目標
   2010年12月〜2011年6月      35〜40時間
   2011年7月〜論文試験まで       50〜60時間

オススメ講師

なお、私はTACで受講経験はありません。また、完全な主観ですので、参考までに。

 簿記:   渡辺先生(LEC)
 財務理論: 入門→野坂先生(AXL) 上級→岡本先生(LEC)
 監査論:  太田先生(LEC)
 企業法:  長谷川先生(大原)
 租税法:  柏木先生(大原)、真砂先生(大原)
 経営学:  特にいません。強いて言うならファイナンスは岡田先生(LEC)。ただ、難しいです。

各年度の学習記録

2009年目標

2008年3月に一発合格を目指して意気揚々と会社を辞めて学習を開始しました。
予備校をレックにしたのは、受講料が安かったという理由だけでした。
2007年、2008年が大量合格の年だったので楽観的でしたし、正直学習当初は宇宙のように広い試験範囲を実感していなかったので、気楽でした。

おおまかな計画として、2008年8月の税理士簿財を受験し、11月の簿記1級を経て、5月短答・8月論文を目指しました。
2008年の税理士簿財受験までは、学習時間をほぼ財務会計に充てました。
入門講義の財務会計だけ全部視聴し、テキスト・問題集を使って勉強しました。
税理士試験対策は過去問と市販の財表理論問題集をやりました。

いま考えるともっとバランスよく他の科目もやるべきでした。
おかげで8月税理士受験以降、監査・管理がよく理解できずに悩みの種となりました。
ただ、4ヶ月の勉強で簿記・財表ともに不合格Aの成績を取れたことは自信につながりました。

税理士試験受験後〜2008年末までは、合格者の友人のアドバイスを参考に、管理・租税の計算に主に取り組みました。監査・企業法は後回しで、経営学はほとんど勉強していませんでした。
正直、この頃から一発合格は難しいことにようやく気づきました。

年明けから3月までは勉強が遅れていた企業法・監査・経営学に主に取り組みましたが、論文答練の難しさに心が折れだしました。この頃から、とにかく短答だけはなんとか一発で通ろうという目標に変えました。

短答直前2ヶ月間は短答に特化して、一問一答問題集、短答答練、短答公開模試の問題をとにかく出来るようになるまで何度もやりました。わからない問題はテキストや逐条解説に戻って確認する作業を徹底しました。

GWごろに受けた大原・TACの短答直前模試は両方50%くらいしか取れませんでしたが、諦めませんでした。
結果的には74%の得点率でしたので、直前に大幅に成績が伸びたのだと思います。
詳しい短答対策については、短答対策というカテゴリーで2つ記事を書いていますので、そちらをご覧ください。

短答後はAXLの直前講義など取ったりしましたが、内心論文は無理だと思ってましたので、完全に燃え尽きてやる気を失っていました。今考えると、このときに無理に全科目受験せずに企業・監査・経営あたりにしぼって科目合格をねらうべきでした。
結果、論文は惨敗で、科目で換算得点50を超えたのは企業と財務だけ、租税は足きりでした。

2010年目標

2009年目標では、家で通信コースで勉強していたため精神的に苦しくなっており、通学に時間はかかるものの予備校に通う通学コースにしました。それにあわせて予備校もレックから大原に換えました。
結果的に2010年は大原が大惨敗の年だったので、レックのままにしておけばよかったと今でも思っています。

2009年11月終わりから、まずは授業を年内ですべて消化し、足きりだった租税を中心に勉強しました。
通学に換えたものの、自習は家でやる習慣になっていたので、あまり自習室で勉強した記憶はありません。
答練とステップ(1時間答練)はできるだけ教室で受けることにしていましたが、あまりの答練の多さにだんだんストレスが溜まってきました。

インプットがしっかりできていない科目の答練を受けることは今考えるとあまり意味がないと思います。
それなら、テキストの読み込みをまずはするべきです。

これは大原の特色だと思いますが、大原ではやたらと計算の練習をさせられるので、それに対しても不満をもっていました。そのため、財務理論・監査についてはAXLを取りました。
ただ、理論科目を他の予備校にすると、今度は大原の論文答練で点が取れなくなるので、精神的に参りました。

4月以降になると正直、答練(主に計算科目)重視の大原の方針を信じてやるべきか、テキスト(インプット)重視の自分のやり方を信じるべきかわからなくなってしまいました。
結局、論文プレは総合換算得点49、論文公開模試は50.5しか取れず、本試験直前期に鬼のようにラストスパートをかけましたが、実りませんでした。

2011年目標

2010年の反省を踏まえて、まずは予備校をレックに戻し、受講形態も通信にしました。
また、2010年目標で答練をしっかり受けても成績が振るわなかった反省を踏まえて、テキスト重視の勉強を1年やり通すことに決めました。

勉強も3年目に入り、正直なところ飽きが来ている上に、就職状況の悪さから、もし仮に合格できても就職先が無いのでは?という不安で、学習になかなか身が入りませんでした。
1日の学習時間も伸びず、その分PCで動画を見ている時間が増えました。

ただ、今年はブログを通して受験仲間もでき、その仲間の頑張っている様子を見て、このままさぼってたらいけないと踏みとどまりました。

しかしながら、1日で学習に集中できる時間はとにかく減って5〜6時間しか勉強できないようになりました。そのため、答練は完全に解き捨てで、解説もさらっと読むだけにしました。繰り返したほうが良いと思う解説の内容のみテキストに挟み込んだりしました。

2011年目標に関しては、時間を計って解いた答練はTAC全答と大原公開模試、そしてグレ答財務のラスト3回分だけで、それ以外は問題集感覚で解いて時間も計りませんでした。監査、企業に関しては時間短縮のため答案作成も下書き程度に済ませました。復習もほとんどしていません。

重視した勉強は、とにかくテキストの読み込みです。
財務は2週間で1周を目標に何回もテキストを読みましたし、監査テキスト、企業・管理・租税の理論問題集も最低6周くらいはしたと思います。
結果的に財務理論・企業・監査が伸びたことが合格につながりました。

 財務  去年90 → 今年116.4 (26.4up)
 監査論 去年52 → 今年56(4up)
 企業法 去年50 → 今年57(7up)
 監査、企業については、去年の成績優秀者の再現答案が大変参考になりました。

レックの薄い水色のパンフに掲載されていたと思います。
ただ、結果として管理が昨年57から、今年46に下がってますので、管理に関しては2日に1回くらい1時間答練を解くべきだと思います。簿記は、テキストの例題で充分です。

就職活動について

就職活動については、私は結果的に幸運にも2009,2010年、2011年ともに大手監査法人から内定をもらえました。その理由については、面接で職歴や自分の強み、志望動機をしっかりアピールして、ESについてもそれなりに書けていたからだと思います。また、新卒時の就職活動の経験や社会人時代の飛び込み営業の経験も大きかったです。

もし、就職活動を新卒時に経験したことが無い方は、予備校がやっている模擬面接や、就職活動の塾が有料でやってくれるESの添削などに応募するべきだと思います。もしくは、人事経験がある人を身近でさがしたり、大学の就職支援センターなどを利用しても良いでしょう。

とにかく、集団面接などでも、他の受験生が話していることを聞いていて、的外れなアピールをしている人が多いなという印象をよく受けました。

さいごに

ここまで私の拙い合格体験記をお読みいただいた方、本当にありがとうございます。少しでも受験生の方々の参考になれば幸いです。

いま受験を振り返ってみると、「あ〜、しんどかった。」という一言しか出てきません。この日本という国の社会の制度は、大卒→新卒入社→そのまま定年まで、というレールから外れてしまうと、本当に社会復帰が難しくなるということを骨身に染みるほど味わいました。

正直、2度とこんなプレッシャーを経験したくはありません。特に3年目は体に異常をきたすほどでした。
また、受験回数が増えるにつれて、経済的、精神的、肉体的にも本当に苦しくなります。

私は、今回試験に受かっていなければ撤退するつもりでした。公務員試験にチャレンジしていたと思います。
とにかく、幸運にも新たな一歩を踏み出すことができました。ありがとうございました。


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