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りゅうさん(男性・29歳)の合格体験記

1. はじめに

 はじめまして、りゅうと申します。私は約4年間の社会人生活(理系の研究開発系の職種)を経た後、受験専念の形で公認会計士試験合格を目指しました。私の合格体験記が、受験生の方に少しでも役立てば幸いです。

 ・受験回数 1回
 ・受験開始時年齢 27歳
 ・合格時年齢 29歳
 ・通っていたコース TAC1.5年本科(2006年12月開始)
 ・受験開始時のレベル 初学者
 ・公開模試の順位 TAC第1回全答練 1700番台/3360 、第2回全答練 1200番台/3486

2. やってよかったと思うこと

 やってよかったと思うことを以下に書きます。真似したいと感じたことだけ、真似していただけると幸いです。

(1) 本試験で持ち込める物にこだわる

 多くの予備校の講師も言っていると思いますが、本試験で使用するものにはこだわるべきだと思います。

 ・ボールペン・・・ 快適に書けるものを選びましょう!私は、5種類くらい試して、結局、三菱鉛筆のJETSTREAM0.7mmに決めました。
 ・蛍光ペン・・・ 注意すべき数値や問題文を目立たすために必須です。ミスが減ります。1秒でも早く使用できるようにするために、ノック式の蛍光ペンを使用していました。ぺんてる Handy-line S というものです。
 ・ストップウォッチ・・・ 試験の残り時間が5分のとき、1分のとき、30秒のとき、それぞれすべきことは異なります。本試験で1点でも多く点数をとるために、秒単位で時間を把握すべきだと思います。

(2) 定期的に運動する

 私は1週間に1度、テニスをしていました。本試験直前もそのリズムを変えませんでした。リズムを変えないことにこだわったのは、入門期に1度失敗したからです。

 2007年の短答時期(お試し受験です。)に、短答式本試験、日商1級、税理士全答練と4週連続日曜日に試験を受けたときに、勉強に集中するために1ヶ月テニスをしませんでした。そうしたら、勉強の能率は上がらないわ、ミニテストで点数が取れないわ、散々な目に合いました。

 体を動かすことは大事です。

(3) ミスノートを作る

 よく言われることですが、私も作っていました。計算科目だけではなく、理論科目も作っていました。作り始めたのは、2月ごろからです。あまりに早い時期に作ると効率が悪いと思います。

 短答直前の4月、5月は通学で使う電車の中で、毎日のように電車で眺めていました。本試験会場でも、最後に見るのはミスノートでした。

 ミスノートには、ほとんどの人ができていそうなところで、自分が間違ってしまったところを書きとめました。みんなが間違えて、自分も間違えたところは、定着させるのに時間がかかると感じたため、無視しました。

(4) 音声学習

 私は暗記事項を声に出して読んだものを録音して、iPodに転送して、通学中に聞くことをしていました。いろんなものを録音して聞きましたが、特に役立ったのは以下の2つです。

 ・企業法 : 宮内先生が授業中に配布する短答問題・・・ 問題を声に出して読み、少し時間を置いて解答を吹き込んで、音声ファイルを作成しました。短答前の4月から5月にかけて、全範囲を3周しました。
 
 ・財務諸評論 : 塩川先生が授業中に配布する論点チェックレジュメ ・・・ レジュメに載っている問題を読み、解答をテキストから探して、吹き込みました。短答前の4月から5月にかけて、全範囲を2周しました。私はレジュメに載っている問題を全部吹き込みました。しかし、短答論点だけピックアップして吹き込んだ方が効率はいいかもしれません。

(5) 神頼み(自己催眠)

 アレって感じの内容で恐縮ですが、結構効いたのではないかと思っています。

 TACに通うときは、最寄りの駅まで歩いていたのですが、その通学中に神社があったので、2008年1月からTACに通うときはいつも、合格祈願をしていました。自分でやっていて気持ち悪いと思いましたが、絶対に受かりたかったので、続けました。

 試験直前や正月に合格祈願をする人はいても、こんなに毎日する人はいないだろうと感じて、変な自信がつきました。

3. 科目別勉強方法

(1) 簿記

 <入門・基礎期> 
 予習中心に勉強していました。講義の前に、当該講義範囲の例題・基本問題・トレーニングを3回転しました。講義後は、よくわかっていなかったところを中心に軽く復習していました。実力テスト前には、トレーニング簿記も解いていました。理解というよりも体に染み付くように、問題を解きまくっていました。

 <上級期> 
  12月いっぱいまでは、08アクセスに合わせて、過年度のアクセスを解いていました。上級期範囲の過年度のアクセスは解く暇がなかったので、解きませんでした。講義があるうちは、講義の進度に合わせて、例題と上級問題集を解いていました。いつも同じ手順、同じ下書きで問題を解くことに注意を払っていました。また、短答の計算問題に不安を抱えていたため、短答答練の実施に合わせて、07の短答答練を解いていました。

 <短答直前期> 
 4月中に08アクセスを1回転させました。5月は07と08の短答答練をやりました。ただ、問題数が多くて、07の短答答練は自分が出そうだと思った問題しか解いていません。短答本試験では、簿記の出来が合否をわけると言っても過言ではありません。本試験前までに少しでも得意になっておくことをお勧めします。短答まとめは無視しました。

  <論文直前期>
 講師から、08の答練・アクセスで解くべき問題を指示されたので、その指示された問題を解きました。その中でも特に自分が大事だと感じた問題は何度か解きました。論文まとめは無視しました。

(2) 財務諸表論

 <入門・基礎期> 
 ここで書くほどのことは何もないので、省略します。

 <上級期>
 計算科目に追われていたため、答練直前しか満足に自習できませんでした。その答練直前に塩川先生が配布する講義レジュメのAランクとBランクを集中的に読んで、答練を乗り切っていました。こんな行き辺りばったりの勉強をしていたため、体系的な理解ができていませんでした。

 <短答直前期>
 まず、テキストを1度通読しました。基準上の処理がなぜ行われているのかを考えながらテキストを読んだので、上級期にできていなかった体系的な理解が少しずつ進みました。その後、07と08の短答答練・テキストの通読 を平行して行いました。短答答練は2回転させ、2回転目は1回転目で間違えたところのみをやりました。また2(4)で書きましたように、塩川先生の論点チェックレジュメの問題と解答をiPodに入れて、聞いていました。会計法規集は無視しました。

 短答答練を解くときに、やってよかったことが1つあるので、それを紹介します。
 それは、「肢に書かれた文章を読んで、簿記上の処理を思い浮かべる」 というものです。

 例えば、「子会社の時価発行増資等において、親会社引き受け割合が従来の持分比率と異なる場合であっても、発行価格が従来の1株当たりの純資産額と等しい場合には、親会社の払込額と当該増資等による親会社の持分増減額との間に差額は生じない」という肢があったとします(連結財務諸表制度の見直しに関する意見書 第2部 二 5(2)B参照)。答えは○ですが、簡単な説例を作って、なぜ差額が生じないか説明できますか?

 こういうことをやっていくと、簿記の力もつきますし、論文の力もつくと思います。 

 <論文直前期>
 短答を受けて、基準の文言からたくさん出ているというのを実感しましたので、網掛けになっている重点出題分野について、「結論の背景」 を1度読みました。そして、テキストはこの時期に1度通読しました。論文まとめは3回転くらいしました。答練の復習は、解答例を暗記するのではなく、問題を読んで、答案構成メモを作ることをやっていました。

 短答直前期に簿記と財務諸表論を連携して勉強していたため、この時期に体系的な理解が一気に進みました。

(3)  管理会計論

 <入門・基礎期>
 講義の進度に合わせて、テキストの例題・トレーニング・トレーニング管理会計論2を解いていました。いつも同じ手順、同じ下書きで問題を解くことに注意を払っていました。

 <上級期>
 12月いっぱいまでは、08アクセスに合わせて、過年度のアクセスを解いていました。上級期範囲の過年度のアクセスは解く意味を感じなかったので、解きませんでした。講義があるうちは、講義の進度に合わせて、上級問題集を解き、講義レジュメを読んでいました。また、短答の計算問題に不安を抱えていたため、短答答練の実施に合わせて、07の短答答練を解いていました。

 <短答直前期>
 原価計算基準と原価計算基準絡みの過去問が掲載されている短答まとめを2回転ほどさせました。4月は08アクセスを1回転させました。5月は07と08の短答答練を1回転させました。私が07の短答答練を解いたのは、08の短答答練だけでは網羅性の観点から不安があったからです。過年度の短答答練のかわりに基礎期・上級期の問題集の問題を解くこともいいと思います。
 
  <論文直前期>
 答練・アクセスから論文に出そうな問題を選んで解いていました。解いた問題に合わせて、講義レジュメ・論文まとめを読んでいました。

(4) 企業法

 <入門・基礎期> 
 ここで書くほどのことは何もないので、省略します。

  <上級期>
 配られる問題集を講義の進度に合わせて解くようにしていました。解答例を丸々
暗記するというのではなく、解答例を箇条書きにまとめるといった作業をしていました。

 例えば、「株主平等原則」 だと以下のような感じで。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
定義:株式会社は、株主〜〜〜内容および数に応じて 平等に〜〜(109条1項)
根拠条文:・109条1項
     ・その他 −剰余金配当請求権(454条3項)
           残余財産分配請求権(504条3項)
           議決権(308条1項)
内容に応じた平等の取り扱い:株式の内容が異なる場合 ⇒ 異なる取り扱いをすることを要求
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
こんなのを問題ごとに作っていました。

  <短答直前期>
 オプション講座の短答パワーアップを1度通読しました(金融商品取引法の部分は除く。)。金融商品取引法のテキストも1度通読しました。それらの通読後、07と08の短答答練を2回転させました。ただし、2回転目は1回転目で間違えたところのみやりました。私はやりましたが、過年度の答練は特に必要ないと思います。これに加えて、2(4)で書きましたように、宮内先生が作った短答問題をiPodで聞いていました。

 <論文直前期>
 やったことは基本的に上級期と同じです。ただ、答案構成メモとして使えるように上級期に作ったものよりも簡素なものを作っていました。問題集に加えて、答練も回転教材に加えました。量が多かったため、1回転しかできませんでした。最後の1週間は講師の言うヤマ当てを信じて、論文まとめやその関連レジュメを眺めていました。

(5) 監査論

 <入門・基礎期> 
 監査基準を暗記することに力を注いでいました。

 <上級期>
 偏差値40台と低迷していたので、省略します。

 <短答直前期>
 4月初めからまずテキストを1度通読しました。その後、テキストの読み直し・短答答練・短答まとめの解き直しをやりました。私は07と08の短答答練をやりましたが、過年度の短答答練は不要と感じました。短答答練は2回転させました。ただし、2回転目は1回転目で間違えたところのみやりました。

 それから、監査基準・中間監査基準・四半期レビュー基準・品質管理基準の本文・前文を読み込みました。財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準についても1度目を通しました。委員会報告書は無視しました。

 最後にこれは私が失敗したところですが、最終チェックの段階で監査制度の部分はよく見ておいた方がいいと思います。短答では頻出論点で、08でもたくさん出題されました。私は大丈夫だろうと思い、直前はほとんど見ていなかったのですが、本試験では足元をすくわれました。

 <論文直前期>
 短答本試験後、テキストを1度通読しました。監査においてはテキストの内容の理解を深めることが重要なようで、最後の答練3回では(直前答練3,4,論文全答練2)3回とも偏差値55を超えることができました。答練の復習は、解答例を暗記するのではなく、問題を読んで、答案構成メモを作ることをやっていました。また、短答と同じく、監査基準等の本文・前文は読みました。

 どの科目にも言えることですが、本試験では知っていることを書くのではなく、問題文に答えることに意識を集中させてください。この科目では特に重要だと思います。

(6) 租税法

  <入門・基礎期> 
 テキストの例題と問題集をひたすら解きました。租税法は量が多いため、入門・基礎期にある程度やっておく必要があります。短答がないからといって、おろそかにしないでください。

  <上級期>
 量が相当多かったので、いらない所をどんどん切っていきました。具体的には、法人税の留保金課税・精算所得課税、所得税の上級の計算、消費税の納税義務者 などを切りました。この時点では理論もほとんど無視していました。それでも消化不良で、基礎答練・応用答練では偏差値50を割ることが多かったです。

 これではいけないと思い、3月に入門期・上級期の法人税・消費税の問題集を1回転させました。計算過程を省略すれば、高速で回転させることが可能です。

 その結果、全答練1回目の租税法の計算部分でA判定をとることができました(総合ではB判定)。なお、全答練1回目が終わってから短答式本試験が終わるまでは全く勉強しませんでした。

  <直前期>
 短答式本試験が終わってから、すぐに入門期・上級期の法人税・消費税の問題集を1回転させました。3月に1度回転させているので、2ヶ月ブランクがあるとはいえ、戻すのは楽でした。その後は、答練やアクセスを使って計算力を伸ばしていきました。

 6月中旬から理論の勉強を始めました。TACの理論テキスト、論文まとめが非常にわかりにくかったので、生講義の講師が授業中に配布したレジュメを読み込みました。それで、全答練2回目の租税法の理論部分でA判定をとることができました(総合ではA判定)。

 それでも本試験の理論を考えると不安でしたので、8月初めにLECの理論問題集を購入し、重要度AとBのところだけを読み込みました。掲載されている判例はTACのテキストとあまり変わりませんが、わかりやすさが全然違いました。本試験で出た寄付金と同一生計のところはよく読んでいたので、本試験でもある程度アドバンテージは取れたと思います。

 あと、TACから配布された条文集には重要条文を中心に一通り目を通していました。

  なお、所得税の計算は完全に無視したまま、本試験を迎えました。ただ、07・08と所得税の計算は出題されていますので、余裕のある方は目を通しておくことをお勧めします。

(7)  統計学

 答練で偏差値50を超えたのが2回しかありませんでしたが、一応書きます。

 租税法と同様に、全答練1回目が終わってから短答式本試験が終わるまで完全に無視しました。勉強は答練の復習を中心に行い、よくわからないところはテキスト・レジュメに戻っていました。また、検定統計量のあたりは似たような数式が多かったので、数式だけをまとめたノートを作り、統計学の勉強をするときは毎回眺めるようにしていました。 

 なお、本試験は3〜4割しか取れていないはずですが、足切りにならなかったので、意外に受験生のレベルは低いのかもしれません。

4. おわりに

 私は、短答式本試験1ヶ月前に受けた大原の短答公開模試の順位が3389人中2033位(偏差値47.4)でした。他校の模試とはいえ、偏差値50を割る大ピンチでした。ここから本気になって、1ヶ月間必死になって勉強して、短答本試験では7割をとり合格しました。

 また、論文本試験では、会計学(午後)の試験中の16時30分ごろ頭が割れるように痛くなりましたが、ここで諦めたら絶対に合格できないと思って、その時点で白紙だった第5問を必死で埋めました。

 必死になったときの人間の力は凄いものです。ピンチになったときは、チャンスが来たのだとポジティブに捉えて頑張ってみてください!




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