トロさん(女性・21歳)の合格体験記
トロと言います。現在大学3年生で、2008年度の公認会計士試験に一発合格することができました。今後公認会計士を目指す人の参考になればうれしいです。
期間別学習法
(2006年6月〜2007年3月)
私は大学1年の6月に資格の大原の入門2年コースに入りました。
平日は毎日、大学に出席した後、簿記、管理会計の授業を受けていました。授業中や自習の際に分からなかった所があれば、かならず講師の方に質問していました。
この時気をつけていたことは、講師の方の説明に納得できなければ、自分が理解できたと思えるまでしつこく質問するようにしていました。講師の方には迷惑だったかもしれませんが…。
あと、疑問点は残さないように質問なり自分で考えるなりで必ず消化するようにしていました。講師の方に計算を固めるようにとの指導があったので、自習時間のほとんどを計算に費やしました。
授業を受けた後は忘れないうちに付属の問題集を解き、次の授業があるまで毎日同じ個別問題を解いて頭に定着させました。他に付属の問題集の総合問題を解きました。満点をとれるようになるまでしつこく解きました。何回解いたか覚えてないほどです。
この頃の自習時間は平均3〜4時間程度だったと思います。
(2007年4月〜7月)
4月から受験前年ということもあって、大学に行く回数をなるべく減らして、できるだけ大原にいる時間を増やそうと努力し始めました。
しかし、大学2年でしたので大学の単位をかなり取得する必要があり、大学との両立はかなり厳しいものでした。友人と同じ授業を履修してノートを借りることでなんとか自習時間を確保していました。他の受験専念者や上級生に比べて大原に割ける時間には制限があったと思います。
この頃は理論の授業が毎日あって、土曜日には過年度のステップ答練を受けるというハードなスケジュールが続き、だんだんやめていく人が増えていきました。大学との両立はこの時期がもっともつらかったです。
自習時間はこの時期も計算科目中心で、過年度のステップや付属の問題集の総合問題を中心に解いていました。理論はポケットコンパスを電車の中で眺めている程度で、テキストはロッカーに入れっぱなしの状態でした(笑)。授業内容もほとんど理解していませんでしたが、計算ができなかったので何もしないままでした。自習時間は5〜6時間程度でした。
(2007年10月〜12月)
ステップ答練が始まりました。
私は家から大原まで1時間かかるのですが、早朝ステップを受けることにこだわりました。週2〜3回、朝5時に起きて弁当作って、6時に家を出て7時半に答練を受けるという生活でした。しだいに寒くなり布団から出るのはつらかったのですが、早朝ステップを受け続けました。
成績の方はというと、ステップ基礎の段階で簿記、管理会計ともに上位20%程度で、まずまずといったところでした。理論科目も上級答練が始まり、上級生にまじって受けていました。
ロッカーに入れっぱなしのテキストを分解して穴あけして、科目ごとにB5のファイルにいれました。各科目の答練が同時進行でしたので、各科目の答練の出題範囲のページを別の一つのファイルにまとめて、電車の中で読み込んでいました。こうすることで、理論科目すべてのテキストを持ち歩かずにすみ、荷物の量を減らすことができました。
上級答練の成績は上位50%でした。しかし、12月の末に冬の猛特訓で短答式の問題を初めて解いたときに愕然としました。簿記が20問中5問しかできませんでした。かなりあせりました。
この頃は大学の履修単位も減って、自習時間は6〜7時間でした。
(2008年1月〜2008年3月)
ステップは応用になり、問題が急激に難しくなったり、知らない論点があったりで点数が急降下していきました。平均点を割ることもあったりして、大体上位30%行けばいい方でした。答練ラッシュで、自習時間は受けた答練の復習をするので手一杯でした。
さらに、2月頃から短答答練が始まりました。管理、監査は6〜7割程度でしたが、会社法は足きりラインを切ることがしばしば、財務会計は4割後半しかとれず、総合7割には到底及ばない成績でした。成績は上がらず、直前期が迫っていることもあってストレスがたまっていきました。
財務会計がネックになっているのはあきらかだったので、答練の復習のかたわら、大原とTACの市販の短答用問題集を買って解き始めました。
3月末には短答に特化しました。
(2008年4月〜5月)
短答対策のみしかしていませんでした。以下科目別の学習方法です。
(簿記) 上述の市販の問題集2冊と短答答練をひたすら回しました。短答答連は分野別に問題を分解してファイリングしました。分野別に分解するのは面倒ですが、知識が整理されるのでおすすめです。またミスがなかなか減らなかったので、ミスノートをつくって電車の中や答練の前に読み込んでいました。ミスノートはつくるのに時間かかりましたし、短答答練での成績は上がらなかったので非効率な方法かもしれませんが、本番では6割程度とることができましたので効果はあると思います。
(財務諸表) 肢別チェックと短答答練をひたすらまわし、法規集を電車の中で素読していました。法規集は重たいので、会社法編から概念フレームワークまでのページを切り取りました。芦別チェックや短答答練で間違えた箇所は法規集にもどって該当箇所に線をひき、念入りに読み込みました。
(管理会計) 肢別チェックと短答答練をひたすら回しました。肢別チェックは間違えたところは原価計算基準やテキストに戻って該当箇所に戻って線をひいておきました。
(監査) 肢別チェックと短答答練をひたすら回しました。間違えたところは資料集に戻って線をひいておきました。資料集は量が膨大なので素読はしませんでした。
(企業法) 肢別チェックと短答答練をひたすら繰り返しました。間違えたところは条文に戻って線をひいておき、最終的には素読もしました。企業法は答練で足きりラインを切ることがあったので、短答対策テキストも利用して細かい所も確認するようにしていました。
基本的にはどの科目も肢別チェックと短答答練が中心で、7〜8回は回しました。他にやる教材がなかったこともありますが、やった問題が本試験で出たのにできないのは悔しいと思ったので。
本試験でのできですが、
財務会計 125 (62.5%)
管理 75 (75%)
監査 75 (75%)
会社法 80 (80%)
計 355 (71%)
自己採点の結果、なんとか7割を超えていたので、すぐさま論文の勉強に切り替えました。
(2008年6月〜8月)
論文総まとめの授業と直対答練を受けていました。
この時期は受験者が増えたり、短答免除者のせいか答練の成績はハンパなかったです…。平均あたりを行ったり来たりという感じでした。本試験での合格ラインが偏差値ベースで51〜52でしたのでそこを意識してはいましたが、総合成績の偏差値がそれを上回ることはほとんどなかったです。
以下、科目別の学習法です。
(簿記) 応用答練と直対答練を回していました。短答の時と同様、分野別にファイリングして、毎日2〜3問ずつ解き、ミスノートをつけました。
(財務諸表) 論文総まとめのアウトプットをしていました。具体的には問題を読んで解答の論点を頭の中で組み立てて、答えを見て知識の確認といった具合です。インプットとしては論文総まとめのレジュメを読みこんでいました。時間がなかったので、テキストや法規集は読み込めませんでした。
(管理会計) 計算に関しては簿記と同じ方法です。理論は総まとめのテキストを読み込みましたが、なかなか暗記できなかったし、正直本試験では成果は出なかったので、あまりおすすめできません。
(監査論) 総まとめのテキストの読み込みと応用答練と直対答練のアウトプットの繰り返しです。
(会社法) 基本的に監査論と同じ方法です。試験用の参考条文集を使って、本試験で配布される条文集で条文が拾えるように条文の場所の確認をしました。
(租税法) 計算は、総まとめテキストの問題を繰り返し、応用答練・直対答練についてはミスノートをつけました。ミスノートのおかげで所得・消費は直前に仕上げることができました。ただ、ミスノートをつくるのに時間がかかってしまったので、答練はすべて解くことはできませんでした。理論については、総まとめテキストの理論編と答練の読み込みをしました。
(経営) 基礎テキストの読み込みと応用答練・直対答練のアウトプットです。時間がなかったのでCランクは切っていました。しかし、今年はかなり細かい論点まできかれて試験中に後悔しました。経営に関しては余裕のある方は細かい部分も確認しておいて損はないと思います。
精神面について
この試験は精神的な強さもかなり要求される面があると思います。
@日常編、A本試験編に分けて、どういった精神状態をつくるのがベストなのかについての私の考えです。あくまで個人的な考えなので、賛否両論あるとは思います。
@日常編
日常的にはモチベーションの維持が最重要です。
私の場合は会計士試験の勉強をしていることに対して常に危機感を抱いていました。私は大学受験時に浪人経験があったため、大学在学中に合格しなければ、浪人時と同じように家族に金銭面も含めて迷惑をかけてしまうという切羽詰まった気持ちがありました。
また受験が長期化している受験生を見ていると、自分もそうなってしまうのではないかとぞっとすることもしばしばでした。とにかく合格して一刻も早く予備校から抜け出さなければと思っていました。
今考えるとおおげさな感じはしますが、このように考えていなければ、自分の一発合格はあり得なかったと思います。
だからこそ、サークルに入らず、恋愛もせず、予備校で友人は極力作らず、精神的に会計士試験に集中することができました。
もちろん、サークルに所属し、彼氏彼女がいても一発合格する方はいらっしゃいます。しかし、サークルや恋愛があると、誘いやメールなどによって会計士試験に割ける時間が減るというリスクがあると思います。誘いやメールを断れば良いのですが、どんなに気心知れている相手でも、実際は断りづらかったりします。
なので、短期で合格されたい場合は、自分の要領に自信のない方はなるべく人との付き合いを減らした方がよいと思いますし、精神的に自分を追い込むべきだと思います。
A本試験編
本試験ではとにかく諦めないこと、これにつきます!!
私は論文試験で、午前の会計学が回答欄をすべて埋めることができず、試験終了後心が折れました。ボキッという音が聞こえました(笑)。
午後の会計学も手応えを得られず、2日目の夜は企業法の勉強に集中できませんでした。
しかし、応援してくれた家族のことや、ゼミの先輩の励ましの言葉、ゼミの先生の在学中に合格しなければ自分に会計士は合ってないのだと思って諦めなさいという厳しい言葉を思い出して、このまま諦めるわけにいかないと思いました。
そのおかげで3日目も全力で取り組むことができました。
正直ギリギリの精神状態でしたが、あの時点で諦めていれば、合格していなかったと思います。本試験と答練ではうまくいかなかったときのダメージにはかなり違いがあります。
たとえ本試験でうまくいかなくても、最後の最後まで諦めずにやりきれるかどうかが勝負の分かれ目となると思います。
最後に
会計士試験は難関国家試験で試験範囲は膨大なものですが、勉強の仕方しだいで短期合格は十分可能だと思います。
最後まで諦めずに、突っ走ってください!!
これを読んでいる方が短期で合格されることを願っています。
拙い文章ですが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
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